7月の国会でカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案(特定複合観光施設区域整備法)が成立し、日本におけるIR誘致が本格化する。大阪や長崎、北海道など候補地に名乗りをあげた自治体は多く、立地選定が実施される2020年に向けて、誘致合戦は一段と熱を帯びてくる見通しだ。三井住友アセットマネジメントが設定する「YOURMIRAI ワールド・リゾート」は、国内で唯一IRをコンセプトにしたファンドとして注目が高まっている。6月末のモーニングスターレーティングは5つ★で運用成績も優れている同ファンドについて、企画・開発を手掛けた同社オンラインマーケティング部長の宗正彰氏(写真)に聞いた。

 ――ファンドの運用が好調な理由は?

 当ファンドの投資対象は、(1)統合型リゾート(IR)、(2)テーマパーク・ホテル、(3)旅行者の移動・消費の拡大と幅広く、世界的に魅力的な銘柄が数多く含まれる。いずれのサービスも主に富裕層向けサービスを展開する企業への投資ということになり、関連銘柄は多少の景気変動には株価が左右されないものが多く、これが好調なパフォーマンスにつながったと考える。また、グローバル株式に投資し、為替ヘッジを行っていないこともパフォーマンスにはプラス寄与している。

 リゾート関連産業は、世界経済の緩やかな回復を背景に、新興国を中心とする中間所得層・高所得層の増加によるレジャー・余暇活動への需要の高まりによって関連消費の一層の拡大が予想される。

 また、海外旅行者数も年々増加しており、旅行者ニーズも「モノ消費」から「コト消費」へと移り変わっていることも、当ファンドが注目するIRの収益機会の拡大につながると見込まれる。このような世界的なリゾート関連産業への成長期待が、ファンドのパフォーマンスを押し上げていると思う。

 ――カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が成立した。ファンドへの影響は?

 当ファンドは6月末時点で、約6割をIR関連の銘柄が占める。また、国・地域別構成比率をみると、第1位が日本となっており、今回のIR法案成立による影響は非常に大きい。特に、日本のIR関連銘柄は、IR誕生による成長性をこれから織り込み始める。法案成立によって、これまで現実味がなかったIRによる恩恵を各企業が成長シナリオに組み込んでいくことになるからだ。

 また、海外のIR関連銘柄については、日本でカジノを含むIRを開設するにあたって、ノウハウを有する運営会社として積極的に日本に進出する姿勢が見られる。

 ――ファンドは設定してから4年が経過しようとしている。この間、販社の姿勢や投資家の関心に変化は?

 2014年8月に設定した当時は、国内にカジノを含むIRができるとは、ほとんどの人が想像していなかった。しかし、経済大国や先進国の中でIRを持たない国はむしろ少なく、これから持つことの方が自然と考えた。加えて、今後の日本の成長はインバウンドの需要拡大なくしてはあり得ないと考えたことも、当ファンドの組成を主導する要因となった。このような考えは、本来、運用業界に求められるべきものであり、当ファンドは弊社のシードマネーで運用をスタートした。

 当初は、オンライン証券を中心に取扱い販社が拡大し、その後は、対面販売会社も加わってきた。カジノを含むIRをコンセプトとする投信は、当ファンドが唯一であり、法案の成立とともに、今では、最も販社からの問い合わせが多いファンドの一つになっている。

 ――今後の展望は?

 「カジノ=ギャンブル=危険」というイメージを持たれている方も多いが、そこには少なからず偏見があると思われる。カジノを経験された方はお分かりいただけると思うが、カジノは大人の社交場であり、セキュリティも厳しく、ドレスコードもあり、最も安全な娯楽施設の一つと言える。

 日本での報道を見ていると、IR実施法案が「カジノ法案」と呼ばれている通り、IR=カジノのイメージが強いが、カジノはIRの有する施設・機能のうちの1つ。本来は、ショッピング施設や国際会議場、イベント施設など、「遊ぶ、楽しむ」、「集う、働く」の中心となる地域のランドマークとして注目されており、政府は地方創生のキラーコンテンツとして考えている。

 IRは、開業前には建設業やインフラ関連業、開業後は小売業や飲食業、サービス業など幅広い業界への恩恵が期待される。当ファンドはIRを中心に幅広い方面に投資を行っており、当ファンドの保有を通じて、資産形成に役立てると考えている。(情報提供:モーニングスター社)