ドル円は反発。東京市場の夕方、日銀の金融政策修正の思惑から110円58銭前後まで売られたが、その後海外市場が参入するに連れ上昇。NYでは111円台を回復し、111円25銭までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。ECBは理事会で政策維持を決定。量的緩和の年内終了と、2019年夏以降の利上げ見通しに変わりはなく、ユーロドルは1.1641まで売られる。

 株式市場はまちまち。ダウは3日連続で大幅に上昇する一方、ナスダックはフェイスブック株の歴史的下落が重石となりマイナス80ポイント。債券相場は小動き。長期金利は若干上昇したが、3%を目前に足踏み。金は反落し、原油は続伸。

新規失業保険申請件数 → 21.7万件
6月耐久財受注    → 1.0%

ドル/円   110.83 ~ 111.25
ユーロ/ドル 1.1641 ~ 1.1731
ユーロ/円  129.44 ~ 130.03
NYダウ   +112.97 → 25,527、07ドル
GOLD   -6.10   → 1,225.70ドル
WTI    +0.31   → 69.61ドル
米10年国債 +0.002  → 2.976%


本日の注目イベント

豪  豪第2四半期生産者物価指数
日  7月東京都区部消費者物価指数
中  中国 6月工業利益
米  4-6月期GDP(速報値)
米  7月ミシガン大学消費者マインド(確定値)


 ドル円は昨日の夕方には110円58銭前後まで売られ、海外市場では110円台前半辺りのテストがあるかもしれないとの期待もありましたが、欧州からNYにかけてはドルが反発。111円25銭までドル高が進み、結局前日の水準で戻ってきました。

 昨日のドル下落の引き金は、再び日銀の金融政策を巡る思惑でした。債券市場では10年物国債の利回りが急上昇し、1年ぶりに0.1%まで上昇しました。来週30、31日の決定会合で、政策の修正があるだろうとの見方が依然としてくすぶっており、これが長期金利を押し上げました。物価目標の2%は達成できず、緩和を導入して5年が経過しており、低金利による金融機関への「副作用」にも配慮するのではないかといった観測が強まっています。

 「出口戦略を検討するには時期尚早」と、黒田総裁はこれまでに何度も繰り返してきたことから、現在の状況で政策変更を行う理由は見つけにくいと思われます。現行金融政策を維持しながらも、低金利継続による副作用を徐々に改善して行くといったコメントが発せられるのではないかと予想しています。会合は来週ですが、少なくとも黒田総裁の口から「修正」といった言葉やニュアンスが出るだけで、ドル円の下押し材料になると思われます。今回の会合は、久々に注目される金融政策決定会合になりそうです。

 ドル円は再び111円台を回復してきましたが、昨日はドル円を買う目立った材料があったわけではありません。ユーロドルでドル買いユーロ売りが強まったことで、ドル円にも波及したものと見られますが、トルコリラが対ドルで大きく売られました。トルコで米国人牧師アンドルー・ブランソン氏が拘束されていることに関して、トランプ大統領は26日、トルコに対して「大型制裁」を科す考えを示しました。大統領は、「ブランソン氏は立派なキリスト教徒であり、家族思いの素晴らしい人物だ」とツイートし、「彼はひどく苦しんでいる。この信心深い無実の男性を直ちに釈放すべきだ!」と抗議しました。ブルームバーグによると、同氏はトルコで未遂に終わったクーデターを支援したとしてスパイ行為やテロ集団との共謀の罪で起訴され、2年近く収監されていましたが、25日に自宅軟禁に移されています。

 110円台半ばを2度試し111円台まで反発したドル円は、短いチャートでは「ダブルボトム」を形成してきました。仮に110円台が底堅いとすれば、今後は110-112円のレンジ内で推移する可能性も出てきます。米中貿易問題の終息が見えないことや、上記日銀金融政策の修正観測もあり、足元ではドルの上値が重い展開が継続しています。上記2つの材料が極めて不透明なことから、動きにくい状況です。

 本日の予想レンジは110円60銭~111円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)