米EU首脳会談でのリスクが意識され、ドル円はジリジリと値を下げる。110円66銭までドル安が進んだが、貿易戦争回避で合意したとの報道から111円手前まで反発して取引を終える。ユーロドルも朝方は売られ、1.1664までユーロ安が進んだが、貿易戦争回避で合意との報に急伸。1.1738前後まで買い戻しが進む。株式市場はひとまずリスク回避が後退したことで大幅に続伸。ダウは172ドル上昇し、2万5400ドル台を回復。ナスダックも91ポイント上昇する。債券相場は続落し、長期金利は上昇。長期金利は6月6日以来となる2.97%台まで上昇。金は3日ぶりに反発。原油は続伸。

6月新築住宅販売件数     → 63.1万件
 

ドル/円110.66 ~ 111.11

ユーロ/ドル1.1664 ~ 1.1738

ユーロ/円  129.40~ 130.27

NYダウ  +172.16  → 25,414.10ドル

GOLD  +6.30 →1,231.80ドル 

WTI  +0.78  →69.30ドル  

米10年国債 +0.026  → 2.975%


本日の注目イベント

独  独8月GFK消費者信頼感
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
米  新規失業保険申請件数
米  6月耐久財受注
米  企業決算 → マクドナルド、インテル、アマゾン、スターバックス

 注目されたトランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長との会談は、ひとまず貿易戦争回避で合意しました。これにより、トランプ大統領が輸入自動車への関税導入の意向を示して高まっていた緊張が緩和され、一時110円66銭近辺まで売られたドル円は111円近辺まで値を戻し、NYダウは172ドル上昇。さらに米長期金利も2.97%台へ上昇するなど、「リスクオフ」が後退しています。

 首脳会談終了後、トランプ大統領とユンケル委員長はホワイトハウスで共同会見を行い、EUが米国産液化天然ガス(LNG)と大豆の輸入を拡大するほか、双方が工業製品の関税を引き下げることで合意したと語っています。トランプ大統領は会見で、「非常に重要な記念すべき日となった」と発言し、米国とEUの関係が「新たな局面」に入ったと成果を強調していました。(ブルームバーグ)

 ドル円は、米EU首脳会談前にもかかわらず、トランプ大統領が「関税はすばらしい」とツイートするなど、不穏な雰囲気があったためジリジリと円が買われる展開でした。会談終了前までには110円66銭前後までドル安が進み、今週月曜日に記録したドルの安値を下回る場面もありましたが、ひとまず貿易戦争は回避できたとの報道で急速に「リスクオン」に傾いています。

 EUとの通商関係のさらなる悪化は避けられましたが、最大の懸念は対中国との貿易問題です。すでに米中ともに340億ドル(約3兆7700億円)の関税引き上げは発動されており、現在は160億ドル相当の追加関税を巡る公聴会が開かれているところです。この追加関税も来月早々に発動されると見られています。そして、その先には2000億ドル相当規模の引き上げや、場合によっては5000億ドル規模までトランプ氏は口にしています。今回のEUとの合意が前例となって、今後の貿易戦争拡大を回避できればいいのですが、まだまだ楽観できない状況が続きます。

 ドル円は昨日110円台半ばまで売られた後、111円近辺まで反発したことで、このまま111円台を回復して上昇基調に戻れば、「Wボトム」を完成させますが、現時点ではまだ予断を許しません。気になるのが、ドル円と米長期金利との相関関係がやや崩れてきたことです。米長期金利は先週まで2.84~2.86%の間で、極めて静かな動きを続けていましたが、トランプ大統領の「(金融当局の利上げは)うれしくない」発言以来、急速に上昇してきました。従来ならば、これに連動する形で「ドル買い円売り」が見られましたが、今回はドル高を懸念する発言もあったため、「リスク回避」の流れというよりも、トランプ発言に各市場がそれぞれ反応したというふうに理解できます。ただ、米長期金利がこの先緩やかに上昇し、3%に向かうようであれば、ドル円の下支えにはなろうかと思います。

 本日のレンジは110円50銭~111円50銭程度を予想しますが、まだ上値が重い展開は変わっていないと見られます。明日発表予定の米第2QのGDP速報値が、かなり力強いものになると予想されていますが、果たしてドル上昇のきっけになるのか、注目されます。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)