ドル円は東京時間の午前中に110円75銭まで売られたが、NY時間では米長期金利が急上昇したことから円を売る動きが強まった。一時111円54銭までドル高が進み、111円30-40銭で取引を終える。ユーロドルは前日と同じ水準で推移し、1.17を挟んでもみあう。株式市場はまちまち。ダウは3日続落したが、ナスダックとS&P500は上昇。アルファベットが好決算を発表し、IT株をけん引。債券相場は大幅に続落。日本の長期金利が上昇したことでその影響を受けたとの指摘。長期金利は約1カ月ぶりに2.96%台まで急上昇。金と原油はともに反落。

6月中古住宅販売件数  → 538万件

ドル/円111.10 ~ 111.54</td></tr>

ユーロ/ドル1.1684 ~ 1.1728</td></tr>

ユーロ/円  130.11~ 130.45</td></tr>

NYダウ  -13.83  → 25,044.29ドル</td></tr>

GOLD  -5.50 →1,225.60ドル</td></tr> 

WTI  -0.37   →67.89ドル</td></tr>  

米10年国債 +0.061  → 2.954%</td></tr>

 
本日の注目イベント

トルコ トルコ中銀、政策金利発表
独   独7月製造業PMI(速報値)
独   独7月サービス業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏7月総合PMI(速報値)
米   7月リッチモンド連銀製造業指数
米   5月FHFA住宅価格指数
米   企業決算 → ロッキード、ベライゾン


 ドル円は昨日の東京時間に111円を割り込み、110円75銭前後まで売られました。今回のドル上昇局面では、久しぶりの大幅下落でした。トランプ大統領が金利高を批判し、中国とEUは通貨操作を行っていると主張し、さらに中国への追加関税5000億ドル(約55兆5000億円)の「用意がある」とツイートしたことでドル安が進んだところに、一部新聞が、日銀は30、31日の金融政策決定会合で、政策の見直しを行う見込みだと報道したことで、円高が加速したものです。

 今このタイミングで、異次元緩和の見直しを行うとも思えませんが、債券市場では昨日の朝方から10年債利回りが上昇し、一時は0.09%まで急騰しました。その後日銀が「指し値オペ」を実施することを通知したことで、金利は低下しましたが、日銀の「指し値オペ」も、約半年ぶりのことです。また、マイナス金利の解除や物価目標の修正も予想されることから、昨日の日経平均株価は300円下げましたが、その中でも3メガバンクなどの金融株は「逆行高」を演じており、市場は日銀の次の一手には非常に敏感になっていることが伺え、来週の日銀会合はこれまでになく注目されることになります。

 ドル円は、昨日のこの欄でも述べた様に、「日足」のサポートラインでしっかり下げ止まっています。正直あの勢いでは、NY市場でもう一段の下落を想定していましたが、上で述べた様に、米10年債が売られ長期金利が急上昇したことで、円が売られる展開になり、一段のドル下落が回避されたという状況です。トランプ大統領が、これまでになく激しく市場を「口撃」してきたことで、ややドル高の流れが一服ですが、まだ上昇傾向が終わったとは判断できません。米国の一人勝ちが続き、米長期金利が上昇し、「年内あと2回の利上げ観測」が変わらないのであれば、いずれドルが再び上昇基調に戻ると予想しています。予断を許さないのはトランプ大統領の「口先介入」ではなく、米中貿易問題の行方です。そして、最大の懸念材料である輸入自動車への関税引き上げまで、保護主義が強化されるのかどうかです。

 日銀の金融政策の修正を巡っては様々な見方が紹介されていますが、個人的には、物価目標の下方修正はあっても、このタイミングで出口に向けた変更はないと予想しています。今この段階で変更があれば、円が買われ、急激に円高が進むことは容易に想像できます。安倍首相は9月の自民党総裁選への出馬を決めています。できれば円高は避けたく、再び「アベノミクスをもう一度」と声高に叫びたいところでしょう。今回の西日本を襲った豪雨による被害で、景気の減速も想定され、2019年10月の消費税引き上げが再び怪しくなってきたところに急激な円高は、景気の足を引っ張ることになります。このように考えると、このタイミングでの政策変更は避けたいところでしょう。

 一方で、マイナス金利による金融機関への「副作用」も大きく、長期運用をメインとする生命保険会社の運用も厳しい状況です。先週、生保協会の会長が「長期金利は市場の需給にまかせるべきだ」との意見も発表していました。日銀は難しい選択を迫られています。

 ドル円は下値を攻めるのも厳しそうですが、上値が重くなっているのも事実です。神経質な展開を予想しながら、111円~112円程度のレンジを見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)