■南アフリカにおける鉱山ストライキについて

 2010年代になり、毎年のように南アフリカではプラチナ鉱山などを中心に鉱山労働者のストライキが発生してきました。中でも2012年8月に発生したロンミンの労働者のストライキでは、労働者34名が死亡するという悲劇を生み出してしまいました。

 今回は、大雑把ですが、南アフリカにおける鉱山ストライキに触れてみたいと思います。

 南アフリカは、かつてはあのアパルトヘイトが行われ、黒人が差別された状況に置かれていました。アパルトヘイトは、1994年の全人種参加の選挙と黒人初の大統領ネルソン・マンデラ氏が選ばれたとき終わりを迎えました。

 黒人層は政治に参加できるようになり、文字通り解放されたわけですが、毎年のように行われるストライキは、こうした黒人の地位向上を反映しているといわれています。

■ストライキの背景

 こうしたことを背景に、南アフリカでは、政府、経営者、組合の協調で経済が進められているというのが実情のようです。そして、組合が政府と協調する一方で、労働者側と微妙なずれがある場合にストライキに発展するケースがあったようです。

 そして、今まで低賃金で労働を提供していたこともあり、賃上げ率20%以上の要求が出されたりしています。南アフリカは、黒人労働者の地位向上という力学が働く中で、ストライキという形をとりながら調整されており、その中で衝突もある、というのが実情のようです。南アフリカではこの2、3年、失業率が27%台という数字で推移していることもあり、黒人の地位向上と失業率の改善は南アフリカ政府が優先的に取り組まなければならない課題といえます。

 当然こうしたストライキが発生すれば、採掘がストップし、供給に影響を与えます。度労働問題、通貨である南アフリカランドの価値の上昇と下落、政治情勢などは、プラチナ市場を見る上では、常に注目しておかなければならない材料といえるでしょう。

■終わりに

 このようなストライキは、プラチナの供給に影響を与えます。また、南アフリカ経済が、資源に依存する経済体制であるため、プラチナ市場だけでなく南アフリカ経済自体にも大きな影響を与えます。

 南アフリカは、新興国として注目される存在です。そして、今後はラマポーザ大統領のもと、南アフリカ独自の歴史的背景を踏まえ、黒人労働者の地位向上を図りながらの資源政策のかじ取りをしていかなければなりません。以前取り上げましたが、アングロ・アメリカンのCEOを務められ、現在、日立製作所の社外取締役のシンシア・キャロル氏も、就任後真っ先に労働問題に取り組まれたようです。

 今回は、南アフリカにおける鉱山ストライキについてと題してお話しいたしました。(情報提供:SBIゴールド)(イメージ写真提供:123RF)