ドル円はパウエルFRB議長が議会証言で、米景気に対する楽観的な見方を示したことや、株価が続伸したことで上昇。一時は112円93銭までドル高が進み、ほぼこの日の高値圏で引ける。ユーロドルではややドル高が進んだものの、下げ幅は限定的。1.1650までユーロ安が進む。ユーロ円は小幅に上昇し、132円に迫る。

 株式市場は続伸。ダウは55ドル高と4日続伸し、ハイテク株が買われたことからナスダックは最高値を更新。債券相場は動かず。長期金利も2.86%と、ほぼ変わらず。金はドル高の影響もあり続落。引け値では12ドル40セント売られ、1227ドル台と、昨年7月以来の安値に。原油は小幅に続伸。


6月鉱工業生産      → 0.6%
6月設備稼働率      → 78.0%
7月NAHB住宅市場指数 → 68

ドル/円   112.57 ~ 112.93
ユーロ/ドル 1.1650 ~ 1.1710
ユーロ/円  131.53 ~ 131.98
NYダウ   +55.53 → 25,119.89ドル
GOLD   -12.40 → 1,227.30ドル
WTI    +0.02  → 68.08ドル
米10年国債 +0.002 → 2.860%

本日の注目イベント

欧  ユーロ圏6月消費者物価指数(改定値)
英  英6月消費者物価指数
米  6月住宅着工件数
米  6月建設許可件数
米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
米  パウエル・FRB議長、下院金融サービス委員会で証言
米  企業決算 → IBM、モルガンスタンレー

 注目されたパウエルFRB議長の上院での証言は、改めて米景気に対する楽観的な見方を示したことからややリスクオンが強まり、ドル円は113円に迫る水準まで買われ、約半年ぶりのドル高水準をつけています。

 議長は米労働市場は力強いと述べ、インフレ率を目標付近で維持するため金融当局は「当面」、金利政策の漸進的な引き上げを継続するとの方針を示しました。「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」と述べ、利上げペースは速すぎても、遅すぎても弊害があるとの認識も示しました。

 一方、貿易問題については「最近の財政政策変更が経済にもたらす影響の規模と時期が、経済見通しにどう影響するかは、予想が困難だ」と述べています。(ブルームバーグ)ただ、これらの一連の発言からは保護貿易主義に対する否定的な見方も含まれておらず、全体としてはこれまで通り緩やかな利上げを継続していくとの姿勢が強調されました。

 トランプ政権の仕掛けた貿易問題では終息の兆しは見えないものの、堅調な米景気が続き、「米国一人勝ち」の様相になっています。具体的な成果が見えなかった米ロ首脳会談や、行き過ぎた通商政策には与党の重鎮からも批判の声が上がっていますが、トランプ大統領にとっては、何処吹く風。同盟国であるEUに対して「EUは敵だ」とまで言うなど、独善的ではあるがリーダーシップがあると見られている部分もあるようです。11月の中間選挙に向けて、すでに予備選挙は始まっていますが、女性では民主党支持者が増えており、男性では共和党支持者が増えているとの調査もあります。

 ドル円はジリジリと上昇しています。113円は目前となっており、注目は「週足」の200週線がある113円30銭前後が抜けるかどうかです。仮にしっかり抜けるようだと、その上には昨年7月に記録した114円74銭辺りまで目立ったレジスタンスは見あたりません。貿易問題が依然としてリスク要因であることは変わりませんが、市場は、需給面からドル不足だとか、貿易戦争がこれ以上悪化しないことがドル買い要因だとか、あるいは貿易問題がさらに深刻化すると日本の貿易黒字額が減り、これがドル売り圧力の後退になるなど、様々な「後講釈」を探していますが、なかなか決定的な説明にはなっていないようです。結局は「ドルを売る人よりも買う人が多い」ということでしょうか。

 本日のドル円は112円50銭~113円30銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)