進学個別指導塾「TOMAS」、幼稚園・小学校受験の「伸芽会」などを展開するリソー教育グループ <4714> は、少子化を追い風とした独自のサービス体系を確立し、新たな成長ステージに入ったようだ。今年度から学校内個別指導事業「スクールTOMAS」について、みずほ銀行とタイアップした紹介制度がスタートし、私立学校との提携案件が一段と拡大する見通しだ。また、1つの建物に、「TOMAS」、「inter TOMAS(英語スクール)」、「伸芽会」、「伸芽’Sクラブ(しんがーずくらぶ:託児所・学童保育)」などを集めることによって、相互に連携して一貫した教育サービスを提供する拠点づくりも着実に進展している。

 みずほ銀行との提携は、私立学校の経営トップである理事長との面談を容易にし、「スクールTOMAS」事業の進展を支えると期待される。「従来は、学校の先生など教育の現場での面談説明まで進んでも、経営を決定する理事会への説明が行き届かない部分もあったが、銀行を通じて理事長を紹介していただく仕組みが動き出すとスクールTOMASの狙いが経営層にも浸透し、経営判断がスムーズに進むようになると期待される」(取締役副社長・久米正明氏)としている。

 取締役相談役の岩佐実次氏は、「学校と塾は敵対するような時代もあったが、少子化が進む今は、手を取り合って子どもたちのために協力する時代。特にTOMASの個別指導は、学校の集団指導を補うツールとして全ての学校と協力関係を築くことが可能。中でも、偏差値が高く、難関学校への進学実績によって学校の存在感を高めようと考えている私立校にとっては、進学指導で難関校への合格実績を重ねているTOMAS講師の指導が得られるメリットは大きい」と語る。個別指導塾が学校授業についていけない生徒を対象とした補習に位置づけられる中、いち早く進学指導に舵を切って「ホワイトボード付き個室での授業形式」という独自の個別指導のノウハウを培ってきたTOMASの強みが活きるのが「スクールTOMAS」だと言い切る。

 「スクールTOMAS」による提携学校数は、今期約40校の実績に対し、来期は70校程度との新規提携をめざしている。当面は300校との提携をめざして、提携先の拡大と講師育成を計画的に進めているという。

 一方、1つの建物の中に複数の年齢層を対象にした塾を同居させる戦略は、先行事例として設置している「城北本部池袋ビル」で目覚ましい成果をあげているという。同ビルは7階建ての建物に、「TOMAS池袋校」、「inter TOMAS池袋スクール」、「伸芽会 池袋教室」、「伸芽’Sクラブ池袋教室」が同居。ビル全体をリソー教育グループが賃貸し、1F正面入り口にセキュリティゲートを設けることで、教室の関係者しか出入りできない建物として運営。1Fにはメンバーズカフェを設けて、軽食がとれる施設にしている。

 たとえば、進学個別指導の「TOMAS」と、バイリンガル講師によるマンツーマン英語スクールの「inter TOMAS」が同居して協働することによって、2020年の教育改革で始まる英語の4技能(聞く、読む、話す、書く)を身につける学習を効率的にサポートできる。また、「伸芽’Sクラブ」が同居していることで、幼児保育や学校帰りの学童保育で預かっている児童が「伸芽会」や「inter TOMAS」を併用するという効果が顕著に出ているという。「『伸芽’Sクラブ』の生徒は、同じ建物のフロアが違うだけで、受験指導や英会話など目的の授業を身軽に受けられるようになる」(久米氏)と、既に池袋校舎では「伸芽’Sクラブ」に空き待ち児童が出る評判だ。

 同社の2019年2月期第1四半期決算は、売上高は47.66億円(前期比8.3%増)と増収だったものの、経常利益は2.85億円の赤字(前期比0.58億円の改善)の決算。これは、年度初めに教室の新設・開校に伴う費用が集中するためだ。通期では売上高242億円(前期比7.2%増)、経常利益25億円(同16.8%増)と増収増益を見込んでいる。特に前期実績で5.3%増益だった経常利益が2ケタ成長へとジャンプアップする見通しだ。現在首都圏で80校を展開する「TOMAS」は、今後年間10校を新設し、今後5年間で約120校の体制をめざすなど、依然として首都圏での成長余地は大きいとしている。(情報提供:モーニングスター社)(写真は、複数の教室が同居するリソー教育の城北本部池袋ビル。提供:リソー教育グループ)