ドル/円は、多くの市場参加者の意表を突く形で112円台に上伸した。昨日、米国が2000億ドル相当に上る中国製品の追加関税リストを公表し、米中貿易戦争の激化懸念が高まったにもかかわらず、大きくドル高・円安に振れる事になった。世界的に株価が下落する中でのドル/円の「謎の上昇」について、その背景を探ってみたい。

 まずは、1)米6月生産者物価指数が予想以上の伸びを記録、2)原油や金が下落、3)2)にともなう資源国通貨の下落や人民元等新興国通貨の下落、などのファンダメンタルズ要因が挙げられている。

 また、4)リスク回避は円買いよりもドル買い、5)貿易戦争の勝者は米国、など市場の思惑・観測によって押し上げられた面もありそうだ。

 さらには、6)5月高値111.40円前後を上抜けた事で上昇に弾みが付いた、7)海外投機筋がドル売りポジションの巻き戻しを迫られた、などとするテクニカル要因や需給要因を挙げる声もある。

 どれを取っても一長一短ありそうで決め手には乏しいが、これら全てが合わさった複合的な要因によるドル高・円安なら、納得できない事もない。仮に複合要因でドル/円が上昇したとすれば、個々の要因が一斉に無効化する事は考えにくいため、当面は値を保ちつつ上値を窺う展開となるだろう。(執筆:外為どっとコム 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)