東京時間に111円台に乗せたドル円は欧州時間でも続伸し、111円35銭まで上昇。NYではじり安となり、111円を割り込む水準まで下落。ユーロドルは小幅に反落。独ZEW景況感指数が予想を大きく下回ったことを手掛かりに1.1697まで下落する。

 株式市場は4日続伸。ダウは143ドル上昇し、2万5000ドルが視野に。決算発表の時期に入り、個別銘柄への選別が強まる。債券相場は小幅に反発。長期金利は2.84%へとやや低下。金は反落し、原油は3日続伸。


ドル/円   110.95 ~ 111.33
ユーロ/ドル 1.1697 ~ 1.1750
ユーロ/円  130.09 ~ 130.74
NYダウ   +143.07 → 24,919.66ドル
GOLD   -4.20   → 1,255.40ドル
WTI    +0.26   → 74.11ドル
米10年国債 -0.007  → 2.849%

本日の注目イベント

米  6月生産者物価指数
英  カーニー・BOE総裁講演
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
加  カナダ中銀政策金利発表

 昨日の東京時間、日経平均株価が300円近い上昇を見せると、ドル円もゆっくりと上昇し、111円台に乗せました。株価の方は引け際に上げ幅を縮小し、結局前日比144円高で取引を終えましたが、ドル円は欧州時間に111円35銭まで上昇。NYでは再び「トランプリスク」に見舞われ反落し、111円を割り込んでいます。結局5月21日に記録した直近の高値である111円40銭が意識され、今回も現時点では上回ることが出来ていません。

 「トランプ大統領は追加関税の対象となる中国製品2000億ドル(約22兆2000億円)のリストを公表する準備を行っており、リストは早ければ10日に公表され、今週中に公表の見通し。リストは公表後の公聴会や一般からの意見を求める、と関係者が匿名で語った。」(ブルームバーグ)先週、米中がお互い3400億ドル相当の関税を発動したものの、市場はこれを冷静に受け止め、市場への影響はほとんどありませんでした。これ以上過激化することはないだろうという読みと、ここまでは織り込んでいたことで市場へのインパクトがなかったと思われます。

 ただ、今度は規模が違います。発動までは内外から反対もあり、そう簡単ではないと見られますが、トランプ大統領はこれまで、口にしたことはほぼ実行しているのも事実、安心は出きません。仮にそうなれば、中国も再び報復措置を講じるのは目に見えており、『貿易戦争』の様相がさらに深まることになります。

 ドル円は上記トランプ大統領の貿易問題を巡る動きで111円割れまで落とされましたが、緩やかな上昇基調は崩れていないと見られます。3月26日の104円64銭を底値に引くことの出来るサポートライン(日足)は、まだ機能していると見ます。現在その水準は110円40銭前後に位置しており、この水準を割り込むようだと、再び下値を探る展開に転じる可能性があります。トランプ政権の保護貿易主義がさらに過激になるようだと、市場の楽観的なムードが一変するリスクがあることは意識しておくべきです。

 日米とも株価の動きは堅調です。NYダウは今月に入り700ドル近く上昇しており、先行しているナスダック指数に追いつく勢いです。今週金曜日からはJPモルガンなど金融機関の決算発表があり、決算発表本番を迎えます。その結果、業績相場の色合いを濃くするものと見られますが、ここでも貿易問題から避けては通れません。株式関係者からは「これ以上悪材料が出ないことが好材料」との言葉が聴かれます。足元の楽観的な雰囲気がどこまで継続されるのかも、ドル円にとっては「材料」になりそうです。

 本日は下値も底固いと見られますが、上値も昨日の下落で若干重く感じられます。予想レンジは110円60銭~111円40銭といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)