ドル円は上昇し、110円90銭まで買われた。米長期金利の上昇に加え、「ポンド安ドル高」に牽引される格好でドル高が進む。ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。1.17台半ばから後半で取引され、ユーロ円は約1カ月ぶりに130円台に乗せる。株式市場は大幅に続伸。貿易問題や海外の政治情勢の不透明憾にも関わらず、ダウは320ドルと大幅高。S&P500も1カ月ぶりの高値を記録。債券相場は反落。株価の上昇を受けて売られる。長期金利は2.85%台まで上昇。金、原油は小幅に上昇。

5月消費者信用残高 → 24、559b

ドル/円110.43 ~ 110.90

ユーロ/ドル1.1733 ~ 1.1790

ユーロ/円  129.47 ~ 130.26

NYダウ  +320.11  → 24,776.59ドル

GOLD  +3.80 →1,259.60ドル 

WTI  +0.05   →73.85ドル  

米10年国債  +0.035  → 2.856%

 
本日の注目イベント

中  中国6月消費者物価指数
中  中国6月生産者物価指数
独  独7月ZEW景気期待指数
英  英5月貿易収支
英  英5月鉱工業生産
加  カナダ6月住宅着工件数
加  カナダ5月建設許可件数


 ドル円は値動きが少ない中、昨日のNY市場では110円90銭までドル高が進みました。NY株が3日続伸し、特に昨日はダウが320ドル上昇し、2万4700ドル台を回復し、S&P500は1カ月ぶりの高値を記録しました。長期金利も2.85%台まで上昇したことで、円売り、ドル買いにつながりやすかった面もあります。加えて、英国ではジョンソン外相がEU離脱政策を巡って辞任したことから、メイ首相に退陣圧力が高まる可能性が出てきました。政治的混乱を嫌気してポンドが対ドルで売られたことで、ドル円でも「ドル買い円売り」が出て、ドルを押し上げたものと見られます。

 ドル円は111円には届かなかったものの、再び上値を試す雰囲気です。市場全体で円売りが進み、ポンド以外の主要通貨では軒並み「円安」が進んでおり、ユーロや豪ドル、NZドルなどでは約1カ月ぶりの円安水準に至っています。米中の貿易問題を巡る状況に歯止めがかからず、今後はさらにエスカレートする可能性も残っています。本来なら円が買われてものおかしくはない状況ですが、むしろ円は売られる傾向です。

 今朝の経済紙にも、ドル安円高が進まない理由に触れていましたが、確かに、需給による『ドル不足』はあるのでしょう。日本は原油消費量のほぼ100%を海外からの輸入に依存しています。WTI原油価格は直近では74ドル台まで上昇し、2014年11月以来の原油高となっています。原油取引はドル建てのため、その分ドルを調達する必要が出てきます。これが、市場でのドル需要を高める一因にはなっているはずです。

 ドル円はNY市場で一時110円90銭をつけた後、ほぼ同水準で戻ってきました。NY株高と円安が若干進んだことで、本日の日経平均株価もそこそこの上昇が見込まれます。日経平均株価が予想以上に上昇するようだと、ドル円も111円台に乗せ、111円台前半を試す可能性があると予想します。そうなると再び意識されるのが、5月21日に記録した111円40銭です。この水準をしっかりと上抜けできるようだと、110円を中心に上下1円と見ていたレンジも、上抜けしたと判断できそうです。もちろん、111円前後は何度も試しては押し戻されている水準で、手ごわい水準でもありますが、ここ2週間ほどは110円さえ割り込んでいないのも事実です。ここは注目したいと思います。予想レンジは110円50銭~111円40銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)