6月の雇用統計では、雇用者数は予想を上回ったものの、失業率が上昇し、賃金の伸びが予想に届かなかったことでドル円は下落。110円38銭まで売られ、110円40-50銭で越週。ユーロドルはドル安に押され上昇。1.1768までユーロ高が進み、約3週間ぶりの高値をつける。

 株式市場は続伸。ハイテク株を中心に買われ、ナスダックは101ポイント上昇。ダウも100ドル余り上昇し、2万4400ドル台に。債券相場は小動きの中、小幅に買われる。長期金利は2.82%台へとやや低下。金は反落し、原油は反発。


8月失業率        → 4.0%
8月非農業部門雇用者数  → 21.3万人
8月平均時給 (前月比) → 0.2%
8月平均時給 (前年比) → 2.7%
8月労働参加率      → 62.9%
米5月貿易収       → -431億ドル

ドル/円   110.38 ~ 110.67
ユーロ/ドル 1.1712 ~ 1.1768
ユーロ/円  129.47 ~ 129.97
NYダウ   +99.74 → 24,456.48ドル
GOLD   -3.00  → 1,255.80ドル
WTI    +0.86  → 73.80ドル
米10年国債 -0.007 → 2.822%


本日の注目イベント

日  5月国際収支
日  6月景気ウオッチャー調査
中  中国6月外貨準備高
独  独5月貿易収支
米  5月消費者信用残高

 6月の雇用統計は内容も盛り上がらなかっただけではなく、米中貿易戦争の影響で指標そのものへの注目度も低下していた印象でした。そのため値動きも鈍く、値幅も僅か40銭程度と、昨年までの雇用統計発表日とは大きく状況が異なっています。今回の雇用統計では非農業部門雇用者数は予想を4万人上回る、23.5万人で、これで2カ月連続で20万人の大台を大きく超えています。

 一方失業率は4.0%で、低下傾向が続いていた失業率にもブレイキがかかった感じですが、これは一時的との見方が強く、いずれ3.5%に近付いていくと見られています。ドル円が下がったのは、やはり賃金の上昇鈍化が主因でした。平均時給は前月比で0.2%、前年比で2.7%と、いずれも予想を下回っていました。ちょうどこの日から米中が関税引き上げを発動し、今後さらにエスカレ-トするようだと、労働市場にも影響が及び、その結果、年内あと2回と見られているFRBによる利上げにも影響してくるかもしれません。

 どこかで妥協点を探るのではないかと見られていた米中の関税引き上げは、時間切れのまま発動されることになりました。お互い340億ドル(約3兆4000億円)相当の関税引き上げになりますが、問題はさらに制裁が進み、報復合戦へと進んでいくのかどうかです。ここまでは為替市場も、株式市場も大きな反応を見せず、織り込済みだという見方が多いようですが、今後の状況次第では大きな影響も考えられます。6日、同時に発表された5月の貿易収支には、既にその影響も表れていました。

 5月の米貿易収支は431億ドルの赤字と、前月の461億ドルの赤字から6.6%も赤字額が縮小していました。ブルームバーグによると、輸出額が1.9%増加し、なかでも大豆の輸出がほぼ2倍の41億ドルと急増していました。6日から中国が輸入大豆の関税を引き上げることへの対応で、米国からの輸出が急増したと見られます。既に貿易収支の改善も見られたことから、トランプ大統領がさらに過激な政策を取ることも考えられなくもありません。

 本日は特段材料もないことから、大きな動きはないものと思われます。予想レンジは110円20銭~110円90銭程度でしょうか。ドル円はここ10日間ほど110円を割り込んではいません。110円台を徐々に固めているようにも思えますが、この傾向が続くのかという点にも注意して見たいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)