米中関税発動期限を控え、ドル円は動意もなく小動き。株価が上昇しドルが買われたものの、110円74銭までで上げ止まり、110円65銭前後で取引きを終える。ユーロドルは続伸。M&Aの動きやECBの当局者によるタカ派的発言からユーロが買われ、1.1721まで上昇。

 株式市場は大幅に上昇。関税発動期限が迫る中でも、ハイテク株を中心に買われる。ダウは181ドル上昇し、ナスダックも83ポイント上昇。債券相場は横ばい。長期金利はほぼ変わらずの2.82%台に。金は反発し、原油は続落。


新規失業保険申請件数    → 23.1万件
6月ADP雇用者数     → 17.7万人
6月ISM非製造業景況指数 → 59.1

ドル/円    110.53 ~ 110.74
ユーロ/ドル  1.1672 ~ 1.1721
ユーロ/円   129.11 ~ 129.63
NYダウ   +181.92 → 24,356.74ドル
GOLD   +5.30   → 1,258.80ドル
WTI    -1.20   → 72.94ドル
米10年国債 -0.002  → 2.829%

本日の注目イベント

日  5月景気動向指数
独  独5月鉱工業生産
米  6月雇用統計
米  5月貿易収支
加  カナダ5月貿易収支
加  カナダ6月就業者数
加  カナダ6月失業率

 本稿執筆時、米東部時間が6日の0時を迎えるまで残り7時間ほどしかありません。そして現時点では米中どちらも歩み寄りの姿勢を見せてはおらず、このままでいけばまず、米国が340億ドル(約3兆8000億円)相当の関税引き上げを発動し、その後中国も直ちに同規模の報復関税を発動することになります。世界がその前に何らかの進展があるのかどうかを固唾を呑んで見守っている状況です。

 米通商代表部(USTR)は5日に電子メールで、340億ドル相当の中国製品を対象とする関税を、米東部夏時間6日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動すると確認した。(ブルームバーグ)トランプ政権は現時点でも振り上げた刀を下ろすつもりはないようです。今朝の情報によると、一旦は時間切れで米中が発動した後も、交渉の余地は残り、妥協点を見い出す交渉もあり得るとの見方を紹介していますが、一方で世界貿易戦争の幕が切って落とされるとの見方もあります。既にEUとカナダが同様の措置を発動しており、EUはさらに鉄鋼輸入制限(セーフガード)を今月中旬にも発動する計画があるようです。またトランプ大統領は、中国が報復関税を発動したら、さらに2000億ドル(約22兆1000億円)相当の中国製品に追加関税を課すとも語っています。

 それにしても、このような状況にも関わらず、市場は冷静さを保っており、このところ売られ過ぎていたとはいえ、昨日ダウは181ドルの上昇で取引きを終えています。本来ならリスク回避の円買いが起きてもおかしくはないドル円は、昨日の朝方は売られても110円台前半までで、その後は110円74銭近辺まで「円売り」が進む場面もありました。市場は、「米中が関税引き上げを発動しても、最終的には世界的な貿易戦争にはならないと見ている」、そう考える以外に今の状況は説明できないと思います。

 最新の報道では、トランプ大統領は大統領専用機の機内で記者団に、中国製品への関税を6日午前0時過ぎに発動するとした上で、別の160億ドル相当の中国製品への関税は2週間以内に発動し得ると述べたと、ブルームバーグは伝えています。

 ここ1週間、110円さえ割り込まないドル円ですが、このまま米東部時間0時を迎える可能性が高くなったことを考えると、上値も重いと予想します。レンジは110円から111円程度でしょうか。米中貿易問題に忙殺され、本日雇用統計があることも忘れてしまいそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)