東京時間に日経平均株価が急落したことで110円60銭前後まで売られたドル円は、NY市場では堅調に推移。NY株が堅調だったことで110円92銭まで上昇。ユーロドルは1.16割れを試したものの下げ切れずに、1.16台前半まで戻す。株式市場は朝方には軟調に始まったが、トランプ大統領が「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと述べたことで株価は上昇。ダウは3日続伸となる35ドル高で引ける。債券相場は小幅に続落。長期金利もやや上昇し、2.87%台に金は12ドル下げ直近安値を更新。原油も小幅に下落。


6月ISM製造業景況指数    → 60.2

ドル/円110.67 ~ 110.92
ユーロ/ドル1.1590 ~ 1.1649
ユーロ/円  128.42 ~ 129.11
NYダウ  + 35.77  → 24,307.18ドル
GOLD  -12.80 →1,241.70ドル 
WTI  -0.21   →73.94ドル  
米10年国債  +0.011  → 2.871%

本日の注目イベント

豪   豪5月住宅建設許可件数
豪   RBA、キャッシュターゲット
日    6月マネタリーベース
欧   ユーロ圏5月小売売上高
米    独立記念日の前日のため株式、債券市場は短縮取り引き
米   5月自動車販売台数
 
 昨日の午後には、日経平均株価がジリジリと下げ、一時は515円ほどの下落を記録しました。ドル円もそれに合わせるように円が買われ、109円60銭前後まで円高が進んでいます。人民元が大きく売られ、上海株が下げたことが主因でしたが、朝方発表された日銀短観も株式市場の地合いを悪くしたようです。このままの流れでは、NY時間にもう一段の円高も予想されましたが、NYではドルは小反発。堅調な動きでした。

 米国株がプラスで引けたことで、一応「負の連鎖」は避けられた形ですが、米中の貿易問題が、世界の株式や為替市場にも大きな影響を及ぼす可能性があることを、改めて知らされた感じです。その貿易問題について、トランプ大統領は、「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと述べ、さらにロス商務長官は「米国のWTO脱退について議論するのはやや尚早だ」と語っています。(ブルームバーグ)

 米国は、鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復措置を計画しているEUと通商合意に向けて協議をしていることを明らかにしています。ドル円は底堅く推移していますが、昨日の東京時間では111円台に乗せたものの、直ぐに押し戻されており、原状は一進一退の状況です。株価は日米ともにやや軟調ですが、金価格は昨日も12ドル下げ、1241ドルで取り引きを終え、約半年振りの安値を記録しています。また、米長期金利も3%台では押し戻されるものの、リスク回避の急低下は見られません。総じて見ると、多くの市場関係者が、米国の強硬な貿易問題もそれほど深刻な状況にはならないと考えているとみられます。

 本日は、昨日のドル円下落の主因だった人民元の動きや上海や東京株式市場の動きが注目されます。NY株が堅調だったことに影響され上昇するようなら、ひとまずドル円も111円に迫ることになるかもしれませんが、午後の引け値まで気は緩められません。今週末の米中報復関税発動期限も迫っています。トランプ大統領はポジティブな見方を示していますが、今日明日にも何らかの進展があるかもしれません。

 ドル円は再び111円台に乗せ、5月に記録した111円40銭が抜けるかどうかがポイントの一つです。貿易問題が大きく改善するようなら、その可能性もあると予想していますが、引き続きドルの急落にも注意が必要です。本日は110円40銭~111円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)