6月の為替は1ドル=110円を挟んで行ったり来たり。月末は、その上限付近へ、やや円安になりました。為替が行ったり来たりで、予測しにくい時こそ、チャート分析を駆使して、現状を確認しておきましょう。大きな流れとしましては、4月下旬以降の大きな保ち合いの中にいます。下は108円台、上は111円台の範囲での大きな保ち合いです。次に、もう少し細かく見ますと、6月は110円を挟んだ水準での小さな保ち合いが形成されていました。下限は109円台(特に109円台半ば~後半あたり)で、先週前半の2日間は、その下限を下抜けようかという攻防が見られました。もし下抜けていたら、また今年春先のような大幅な円高局面に入る可能性が高く、非常にピリピリした状況でしたが、その攻防に打ち克って反発。
 
 そして、先週後半は、6月の小さな保ち合いの上限(110円台半ば~後半あたり)まで一気に戻ってきました。こうなりますと、今度はその上限をブレイクするかどうかが注目されます。短期的なチャート分析においては、すでに上向き(円安方向)を示唆するシグナルも一部出ています。これは、6月下旬に、「円高トレンド転換を示唆するシグナルが一部出ている」などと言及していましたが、それがダマシとなって転換した次第です。もう少しゆったり目のチャート分析では、もともと円安シグナルが出た後の保ち合いという状況でしたから、現状、方向性としては、シグナルは円安方向にそろっており、7月はそちらへの動きを意識すべきではないかという見方になります。
 
 6月の小さな保ち合いの上限(110円台半ば~後半)をブレイクしても、次に、4月下旬以降の大きな保ち合いの上限(111円台)が上値メドとして作用しやすいと考えられます。ただ、最終的に4月下旬以降の大きな保ち合いを上方にブレイクする展開になりますと、かなり大きな円安への動きも想定されます。まだこれを言うのは気が早いと思いますが、その際、最大で114円~116円あたりも視野に入ってくると考えられます。なお、今週また「貿易戦争ネタ」などで、株安・円高に動くようなことがあれば、その時もまた109円台(特に109円台後半)が強力な下値サポート帯になると考えられます。
 
 豪ドルも、米ドルと動きが少し似ています。今年3月以降、豪ドル円は1豪ドル=80~84円の範囲で保ち合いが続いてきました。先月下旬はその大きな保ち合いの下限(80~81円)に接近して、下限付近での攻防が、何日も続きました。先週はほぼ毎日80円台に突入しながら、粘り強く下支えされました。結果的には、80円のサポート帯が非常に強力でしたね。週末には攻め疲れのような形となり、急反発。82円まで戻ってきました。この先、反発が続けば、最大84円あたりまでは見込めると考えられます。逆に言えば、今年3月以降の保ち合いの上限84円では上値を抑制されやすいです。
 
 ユーロ円が先週金曜日に急上昇。木曜日に1ユーロ=127円台だったのが、一気に129円を回復しました。背景は、EU首脳会議で難民・移民の分担ルールなどについて、イタリアが強く主張していた見直しも受け入れられて合意されたこと。決裂していれば、またユーロ危機に近い状況に発展するおそれもありましたが、合意できたことで、欧州の株価は上がり、為替市場ではユーロが買われました。ユーロ円は、チャート分析の観点でも上向きに転じており、上値メドはずばり130円。先月前半の高値に並ぶことが想定されます。さらに今月、ユーロ高が最大伸びた場合は132円も視野に入る可能性があると思われます。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)