トランプ政権による中国の投資規制を巡る懸念が後退したことでドル円は買い戻され、110円49銭まで上昇。その後は上昇していた株価がマイナスに転じ、長期金利も低下したことで110円台前半まで押し戻される。ユ-ロドルは再び1.15台に下落。1.1540までユーロ安が進んだが、今回は1.15を割り込めるのかが注目される。株式市場は上下に大きく振れる。中国に対する制裁を巡る懸念が和らいだことで、ダウは一時300ドルに迫る上昇を見せたが、その後はマイナスに転じる。結局前日比165ドル安で引け、ナスダックは連日の大幅安。資金が株式から債券に流れ、債券価格は上昇。長期金利は約1カ月ぶりに2.82%台まで急低下。金は3日続落し1256ドル台に。原油は在庫が予想以上に減少していたことを材料に続伸し、一時は73ドル台まで上昇。

5月耐久財受注               →  -0.6%

5月中古住宅販売件数成約指数    →   -0.5%

 
ドル/円110.14 ~ 110.49

ユーロ/ドル1.1540 ~ 1.1630

ユーロ/円  127.25 ~ 128.22

NYダウ   -165.52  → 24,117.59ドル

GOLD  -3.80 →1,256.10ドル 

WTI  +2.23   →72.76ドル  

米10年国債  -0.051  → 2.826%

 
本日の注目イベント

独  独6月消費者物価指数(速報値)
欧  ユーロ圏6月景況感指数
欧  ユーロ圏6月消費者信頼感(確報値)
欧  ECB経済報告
欧  EU首脳会議(ブリュッセル、29日まで)
米  新規失業保険申請件数
米  1-3月GDP(確定値)
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演

 ドル円は再び110円を挟む展開に戻ったようです。今週は米トランプ政権の通商政策で、さらに保護主義化が進むことを懸念し、月曜日からドルの下値を試し、109円37銭前後までドル安が進みましたが、再び110円台を回復し、昨日は110円49銭近辺までドルが買い戻される場面もありました。中国に対する制裁が和らぐとの報道からドル高、株高が進んだものですが、その後、再び制裁強化の報道もありドル円は下落。株価はマイナス圏に沈んで取り引きを終えています。

 NYダウは一時300ドルに迫る上昇を見せたものの続かず、結局、マイナス165ドルで引けています。特に目を引くのが好調だったナスダック指数の下落です。昨日も116ポイント下げ、主要3指数の中では特に厳しい下げに見舞われています。ハイテク銘柄が多いナスダックは、中国に対する制裁が強化されると売られる構図になって来ました。昨日は、トランプ大統領が重要技術分野への中国の投資を抑制する上で強硬措置を見送ったため、一旦は買われましたが、その後断固とした措置を取るとの懸念が再燃し、結局リスク回避の流れが勝った形になりました。クドロー国家経済会議(NEC)委員長がFOXビジネスとのインタビューで、米国が通商面で出した要求に対し、これまでのところ中国側の対応は満足の行くものではないと述べ「トランプ大統領は中国に対して後ずさりしていない」と語ったことが材料視されています。(ブルームバーグ)

 ドル円は再び109円台半ば近辺まで下げると買われる展開です。上値が重い割には、109円を割り込めない動きが続いていますが、米金利上昇という、ドル買いを支える根拠は薄れてきています。それにも関わらずドルは堅調ですが、一部には、まだドルショートがカバーしきれていないからだという見方もあるようですが、あまり説得力はないようです。引き続き足元の動きは、110円を中心に上下50銭程度のレンジと割り切り、「逆張り」も含めて対処するしかありません。ただし、109円か、111円の大枠のどちらかをしっかりと抜けた際には、「順張り」に徹する必要があることは記憶しておかなければなりません。

 日米とも株価は軟調な動きになっていますが、ドル円はやや株価離れをしています。本日は、110円台半ばまで上昇してやや押し戻されているドル円が、110円台を維持できるかどうかが焦点の一つとみています。予想レンジは109円80銭~110円60銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)