ドル円は110円台半ばから再び110円割れまで反落。独ダイムラーの収益見通し下方修正で、NY株が下げ、長期金利も低下したことで、109円84銭までドルが売られる。ユーロドルは欧州時間に1.1508まで売られ、1.15割れへの期待もあったが、NYでは反発。1.16台前半まで買い戻しが進み、1.16前後で取り引きを終える。

 株式市場は独ダイムラーの収益見通し下方修正を材料に下落。ダウは8営業日続落となる196ドル安。好調だったナスダックもアマゾンなどが下げ68ポイント安。債券は反発。株価の下落に伴い、資金が債券に向かった。長期金利は再び2.9%台を割り込む。金は4ドル下げ、直近安値を更新。原油も小幅に反落。


新規失業保険申請件数       → 21.8万件
6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 19.9
4月FHFA住宅価格指数     → +0.2%
5月景気先行指標総合指数     → 0.2%

ドル/円   109.84 ~ 110.60
ユーロ/ドル 1.1532 ~ 1.1633
ユーロ/円  127.38 ~ 127.99
NYダウ   -196.10 → 24,461.70ドル
GOLD   -4.00   → 1,270.50ドル
WTI    -0.017  → 65.54ドル
米10年国債 -0.042  → 2.897%

本日の注目イベント

日  5月消費者物価指数
独  独6月製造業PMI(速報値)
独  独6月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏6月総合PMI(速報値)
欧  OPEC総会(ウィーン)
加  カナダ5月小売売上高
加  カナダ5月消費者物価指数

 ドル円は行ったり来たりの展開が続いており、昨日もこの欄で述べた様に、明確な方向性が見えない中、早めの利益確定が必要なようです。昨日の東京時間では目先のポイントと見られていた110円台半ばを抜け、夕方には110円75銭前後までドル高が進み、NY市場で「もしかしたら111円テストも?」との期待も膨らみましたが、NY時間にかけてドルは緩やかに下落し、株価の下げと、長期金利の低下がさらにドルを押し下げ、110円割れまでドルが売られました。結局、前々日の水準まで押し戻された格好です。

 ダウは8日続落し、長期金利は再び2.9%を割り込んで来ました。その背景は、やはりトランプ政権の通商問題に行き着きます。米中貿易問題のエスカレートに加え、今日22日にはEUが米国への報復関税を発動します。オートバイやバーボンなど、総額28億ユーロ(約3600億円)規模の米輸入製品に対して25%の関税を課すというものです。

 ドイツのダイムラーは昨日、今年の収益見通しを下方修正し、中国が米国への報復関税を実施することで、中国での販売台数が下振れすると説明しており、これが昨日のNY株の下落につながったようです。米中貿易問題で、企業がその影響から収益を下方修正するのは今回のダイムラーが初めてで、今後は自動車メーカーを中心に同じような動きが出てくることが
懸念されます。

 報復的な関税引き上げは中国やEUだけに留まらず、カナダ、メキシコ、ロシアやインドにも波及しています。まさに「貿易戦争」に近い状況になっており、「貿易戦争に勝者はいない」という言葉どおりの状況になってきそうです、

 貿易問題では、パウエルFRB議長が、貿易摩擦が経済成長を脅かしかねないとの見解を示しました。調査先から、「投資や人員採用の延期決定について耳にしている。これは初めてのことだ」と具体的な事例を説明しました。この発言に対してロス商務長官は「経済が破壊されつつあると考える人は何もわかっていない」と述べています。(ブルームバーグ)トランプ大統領があの有様なら、商務長官もこの有様です。もっとも、トランプ氏に異を唱える側近は全て解任されており、当然といえば当然と言えます。

 中国への報復関税は2000億ドル(約22兆円)と現実離れした金額です。この発動は7月6日となっていますが、その間に米国側がどこまで歩み寄って来るのかが焦点です。EUの報復関税はトランプ与党の重鎮である、共和党のライアン下院議長やマコネル院内総務の地盤を狙い撃ちした内容になっています。この二人の重鎮がどこまでトランプ氏を説得できるのかもポイントになろうかと思います。

 ドル円は昨日述べた様に、110円を挟んで上下1円が抜け切れない状況です。本日はダイムラーが収益見通しを下方修正したことで、自動車株が売られると予想されます。トヨタなど、自動車株は時価総額が大きいため、下げた場合には日経平均株価への影響も大きいと思われます。

 株価の動きにもよりますが、レンジは109円50銭~110円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)