市場の予想通りFOMCでは利上げを決め、さらに年内の利上げ予測が上昇修正されたことでドル円は110円85銭まで上昇。ただその後トランプ政権が中国製品に対する関税を15日にも発動との報道で110円27銭まで売られた。ユーロドルはFOMC後に1.1727まで売られたが、その後切り返し1.18前後まで反発。株式市場は下落。金利の先高懸念に加え、米中貿易問題が高まるとの見方からダウは119ドル下落。債券は小幅に続落。長期金利は2.96%台半ばで推移。金は小幅に反発。1300ドルを挟んだもみ合いが続く。原油は小幅に上昇。

5月生産者物価指数   →  +0.5%


ドル/円110.27 ~ 110.85

ユーロ/ドル1.1725 ~ 1.1801

ユーロ/円  129.85 ~ 130.34

NYダウ   -119.53  → 25,201.20ドル

GOLD  +1.90 →1,301.30ドル 

WTI  +0.28   → 66.64ドル  

米10年国債  +0.006  → 2.966%


本日の注目イベント

豪  豪5月雇用統計
中  中国5月小売売上高
中  中国5月鉱工業生産
独  独5月消費者物価指数(改定値)
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
英  英5月小売売上高
米  新規失業保険申請件数
米  5月小売売上高
米  5月輸入物価指数

 事前予想どおり、FOMCでは今年2回目となる利上げを決めました。これで、リーマンショック後に「ゼロ金利」政策を断行して以来6回目の利上げとなり、FF金利の誘導目標は1.75%~2.0%になりました。

 ここまではサプライズもなく、想定内でしたが、FOMCメンバーによる金利予測分布図(ドットプロット)に変化がありました。失業率が低下し、インフレ率が従来の見通しよりも早いペースで上昇していることから、2018年通年の利上げ予測は4回に上方修正されました。最新のドットプロットによると、メンバー8人が今年通年の利上げ回数を4回以上と予想し、前回の7人から増えていました。一方、適切な利上げ回数が3回以下とみるメンバーは前回の8人から7人に減っています。(ブルームバーグ)

 声明文では「FF金利は今後しばらく中長期的に有効となる水準を下回る可能性が高いと予想している」という文言が削除され、さらに「さらなる漸進的な『調整』」という文言が「さらなる漸進的な『引き上げ』」という文言に置き換えられています。ドル円は利上げ回数予測の上振れで、一時は110円85銭までドル高が進みましたが、パウエル議長が賃金の伸びが鈍いことなどに触れたことや、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が、トランプ政権が中国製品に対する関税を15日にも発動する準備をしていると報じたことでドル売りが加速し、それまでの上昇分を吐き出しています。

 米景気は今年から始まった大幅減税の効果もあり、成長が継続すると見られます。そのため、年内あと2回の利上げ予測にも違和感はありませんが、昨日の動きのように、ひとたび「トランプリスク」が顕在化すれば相場は一気に崩れてしまいます。今後も米金利の上昇を材料にドルが緩やかに上昇する可能性は高いと思われますが、通商問題を軸とする「トランプリスク」には注意が必要です。

 本日は注目する舞台がワシントンからフランクフルトに変わります。ユーロ圏の成長の勢いが鈍化してきたことはある程度確認できます。ECBが、それでも9月以降の資産購入を終了するのかどうかが焦点ですが、ドラギ総裁の発言が注目されます。ドル円は天井を付け下げたとはいえ110円台を維持しています。今夜はユーロドルの動きが注目されますが、同時にドル円が110円台を維持出来るかどうかも焦点になります。予想レンジは109円70銭~110円70銭程度でしょうか。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)