先週の米ドル円相場は行ったり来たりの小動き。一時1ドル=110円を回復する場面もありましたが、週末は再び109円台です。今年これまでの流れを振り返りますと、1月~3月は一方的な円高トレンド(113円→104円)。3月下旬に底打ちしてから5月まで円安トレンド(104円→111円)。5月下旬にイタリア政局不安などもあって急反転して円高トレンドに入るかと思われましたが、踏ん張って行ったり来たりの横ばいの状態(109円台を中心とする横ばい)。さて、今週の見通しについて。チャート分析の観点で意識すべき円高方向のポイントは108円台後半~109円近くの水準。今月これからも、下落(円高)の動きは、そのあたりの水準(108円台後半~109円近辺)で下支えされやすいと見られます。簡単に下抜けることはないだろうと思われますが、もしも、その水準を下抜けた場合。円高の勢いが増す可能性が高まり、下値メドとしてはズバリ105円台が浮上します。逆に円安方向の意識すべきポイントは110円近く~110円台前半あたり。そのあたりにちょっとした節目が形成されており、上昇の動きを阻まれやすくなっています。もしその水準を突破することができても、その先すぐ、先月の高値圏でもある111円の水準ではまた上値を抑えられやすいと考えられます。
 
 トルコリラはこの1カ月くらいの間にいろいろ大変なことがありましたが、先週末は1リラ=24円台で、少し落ち着きを取り戻しつつあるかなといった状況です。トルコの大統領失言によるリラ急落(一時22円台へ急落)→ 大統領の発言修正と、急落を阻止するための緊急利上げ(23円台へ反発)→ 先週の定例会合で追加利上げ(24円台へ反発継続)。チャート形状でも底打ちして上向きの兆候が確認されます。とりあえず25円への回復を期待したいところですが、2週間後(6月24日)にトルコの大統領選挙が予定されています。それが今年最大のトルコリラの重要イベントといってもよいくらいで、その後の動向を大きく左右しそうです。
 
 メキシコペソが、トルコリラほどではないにせよ、ずるずる下落気味なのでちょっと気になるという方もおられるでしょう。為替市場全体で、新興国通貨が売られやすい局面だという背景もあるのですが、メキシコ固有の懸念要素は、アメリカとの貿易問題。アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国の貿易協定(NAFTA)について、トランプ大統領は、日本、中国、欧州に対する不満と同じように、いろいろとイチャモンをつけており、アメリカに有利な条件を含む新しい合意ができないなら、NAFTAを離脱すると表明。それとは別に、互いに主要産品の一部に高い関税をかけるなど「貿易戦争」と言うほどではないにせよ「小競り合い」状態。これらは、いつものトランプ流の交渉術であり、トランプさんは本気でひっくり返すつもりはないと思われますが、それでもやはりこのことが、割安なメキシコペソを投資家が買い控えることにつながっていると考えられます。先週発表されたメキシコの主要経済指標は、消費者信頼感指数や物価指数などいずれも問題なく、現状、アメリカとの「貿易戦争」による重大な影響は出ていません。
 
 日経平均株価について。チャートを見てすぐわかりますように、先月の高値(約2万3千円)に接近して、先週はその手前で抑えられている形になっています。いわゆる二番天井のような形で上値を抑えられますと、ずるずる反落に向かうシナリオが浮上しますし、逆に、高値突破すれば、一段と上昇に弾みがつくシナリオが浮上。2つの正反対のシナリオが想定される、ちょっとした重要局面に今週これから入るのかなと思われます。チャート上は2万2千円台後半(2万2800円台~2万3000円あたり)が非常に重要。しっかり突破することができれば、年初来高値に迫るくらい、具体的には2万3500円あたりからそれ以上へと上昇の流れが強まることが想定されますので、今週これからの値動きが注目されます。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)