7月1日のメキシコ大統領選(議会選挙も同時に実施)まで残り1カ月を切る中、メキシコペソへの下落圧力が増している。昨日の海外市場ではペソ/円が約1年5カ月ぶりに5.36円前後まで下落する場面もあった。米国とカナダとメキシコの間で北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が進まない事に加え、大統領選の支持率調査でロペスオブラドール氏がリードを広げている事もペソの重しとなっている。ロペスオブラドール氏は、反米(反トランプ)の姿勢を明確に打ち出しており、当選すれば米墨関係は一段と悪化する恐れがある。また、現政権が進める石油事業の民営化などの経済政策を大幅に転換すると主張しており、海外からの投資資金が細る可能性もある。
なお、メキシコと同じく通貨安圧力に晒されたトルコやアルゼンチンでは、中銀が緊急利上げなどの引き締め策を打ち出した事でひとまず通貨安に歯止めがかかった。一方、メキシコ中銀は5月の金融政策決定会合でインフレ鈍化を理由に政策金利を7.50%に据え置いており、通貨防衛に動く様子は見られなかった。通貨当局が通貨安対策に乗り出さない限り、メキシコペソに対する売り圧力が低下する事は考えにくい状況であろう。
(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)