■南アフリカのプラチナを採掘する資源企業ロンミンについて

 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(World Platinum Investment Council:WPIC)の会員に登録されているプラチナ採掘を行う会社は6社あります。

(1)アングロ・アメリカン・プラチナム(Anglo American Platinum。プラチナ産出第1位の会社。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
(2)Implats(インパラ。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
(3)Lonmin(ロンミン。白金系貴金属を採掘。プラチナ採掘最大手の一社。ロンドン証券取引所及びヨハネスバーグ証券取引所に上場)
(4)Northam Platinum Limited(ノーザン・プラチナム・リミテッド。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
(5)Royal Bafokeng Platinum(ロイヤル・バフォケン・プラチナム。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
(6)Sibanye-Stillwater(シバニエ・スティルウォーター。プラチナ産出第3位の会社。ヨハネスバーグ証券取引所に上場。またニューヨーク証券取引所に預託証券の形で上場)

 昨年12月、シバニエが、ロンミンを買収に関して双方の役員会で合意に達したと発表しました。買収が完了すると南アフリカで第2位の貴金属採掘会社が誕生します。ここ数年、労働者のデモが続き、マリカナという鉱山でのデモで労使が対立し、警官と労働者が衝突し多数の死者が出る事件がありました。まだ、この事件はわだかまりを残しているといえます。こうした中で、シバニエによるロンミンの買収はどう進んでいくのかが気になるところです。

■業界再編期にある南アフリカ

 最近、「自動車鉱山」という言葉を提起されている方がいらっしゃることを知りました。この言葉は大変よい使い方ではないかと考えます。プラチナを使用したガソリン車が廃車になる過程でリサイクルされるプラチナは、世界各国が取り組む将来の自動車に対する政策の影響を受ける可能性があります。たとえば、欧州の中のいくつかの国が打ち出しているように電気自動車などの普及推進です。そこから起こるガソリン自動車の廃車とプラチナのリサイクルがなされることになります。

 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(World Platinum Investment Council : WPIC)のPlatinum Quarterly Q4 2017(2017年第4四半期レポート)の中でも、世界全体のプラチナ供給量は2017年から2%減少し7,815キロオンスになることを予想していますが、自動車触媒のリサイクルの増加を予想しています。

 プラチナの供給に関しては、南アフリカのプラチナ鉱山の閉鎖などによって若干縮小することが予測されています。また、現在南アフリカにおいて業界再編も行われています。そのような供給の縮小の中、現時点では大きな数値ではないにしても廃車からのリサイクルは次第に大きくなっていくと推測されます。その点では、「自動車鉱山」とは非常に的を射た用語だといえるでしょう。

■終わりに

 シバニエによるロンミンの買収は、南アフリカを舞台とした買収劇ではありますが、その動向によっては世界のプラチナ市場に大きな影響を与えてくる可能があります。

 ラマポーザ大統領下の南アフリカにおける経済政策・資源外交、プラチナの業界再編に関しては、情報がきわめて限られるため、南アフリカ情勢全体を見つつ、各論を見て行かなければなりません。

 今回は、南アフリカのプラチナ採掘を行う資源企業ロンミンについてと題してお話しさせていただきました。(イメージ写真提供:123RF)