ドル円は108円台で推移し、109円近辺がやや重石となった。トランプ政権が鉄鋼・アルミの関税を発動したことで、世界貿易への懸念が広がり円が買われた。一時は108円39銭前後までドル安が進んだが、午後にはドル買い戻しも観られた。ユーロドルは買い戻しが進み、1.17台を回復。ユーロは対円でも127円台半ばまで値を戻す荒っぽい動きに。

 株式市場はトランプ政権による関税発動の発表を嫌気して反落。ダウは251ドル安と、連日上下に大きく振れる債券は、朝方は買われたものの午後には軟調となり、前日比小幅安で引ける。長期金利は2.85%台と小幅に上昇。金、原油は揃って反落。


新規失業保険申請件数     → 22.1万件
4月個人所得         → +0.3%
4月個人支出         → +0.6%
4月PCEコアデフレータ   → +1.8%
5月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.7
4月中古住宅販売件数成約指数 → -1.3%


ドル/円   108.39 ~ 108.92
ユーロ/ドル 1.1641 ~ 1.1708
ユーロ/円  126.33 ~ 127.45
NYダウ   -251.94 → 24,415.84ドル
GOLD   -1.18   → 1,304.70ドル
WTI    -1.17   → 67.04ドル
米10年国債 +0.004  → 2.859%

本日の注目イベント

中  中国 5月財新製造業PMI
英  英5月製造業PMI
米  5月雇用統計
米  5月ISM製造業景況指数


 連日NY株が大きく上げ下げを繰り返していますが、ドル円の方は動きに精彩を欠き、昨日は108円台半ばから後半の動きに終始しました。トランプ政権が、EUとカナダ、メキシコに対して鉄鋼とアルミニウムの関税を発動すると発表しました。この発表に対して、フランスのマクロン大統領は「違法な決定だ」と述べ、カナダのトルドー首相も「容認できない」とし、EUのユンケル欧州委員会委員長も批判の声明を発表しています。

 今回の関税引き上げで、輸入自動車への関税引き上げも示唆していたトランプ大統領が、実際に行動を起こす可能性も高まってきました。NYダウはこの発表を受け251ドルも下げ、長期金利も低下し、ドル円の上値を抑える結果になっています。午後には債券が売られ、金利が上昇したものの、109円台には届いていません。今月12日の米朝首脳会談に向けて、米朝高官が大詰めの協議を行っています。歴史的会談の実現はほぼ間違いない状況となっており、注目は非核化を巡るロードマップに移ってきました。

 イタリアではポピュリスト政党の「五つ星運動」と「同盟」が連立政権を樹立し、現地時間の本日午後4時に新内閣が発足します。新政権は歳出拡大を政策に掲げており、EUの規律に挑戦する形になりますが、昨日はイタリア国債が買われるなど、今週火曜日に観られたような混乱は今のところありません。

 今日から6月です。多くのイベントが予定されており、金融市場は今月も大きく動く可能性が高いとみられます。本日の雇用統計に始まり、12日には米朝首脳会談が行われ、13日にはほぼ利上げが間違いないとみられるFOMC、そして14日にはECB理事会です。また24日にはトルコリラの相場に大きな影響を与える大統領選と議会選挙もあります。104円台から111円台まで上昇し、その半値まで値を下げてきたドル円も、これらイベントの影響を受け方向性も出てくると予想していますが、「トランプ相場」との関わりも見ていかなければならず、ポジションを一方方向には傾けにくい相場は続くかもしれません。

 本日のドル円は、雇用統計もあることから108円~109円30銭程度を予想します。ここ数ヶ月は雇用統計発表後も大きな値動きは観られませんが、気を緩めずに臨むことをお勧めします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)