ドル円は反発し一時109円台を回復。イタリアの政局不安が後退し米長期金利が上昇したことがドルの支えになった。ただ上値も限定的で、108円90銭近辺で取り引きを終える。ユーロドルも反発。前日の1.15台前半から1.16台を回復。ユーロは対円でも127円台前半まで上昇。株式市場は大幅反発。イタリア国債が反発したことや、前日大きく買われた米国債も反落したことでダウは306ドル高。他の指数も揃って大幅高。債券相場は反落。市場が落ち着きを取り戻したことで売りが優勢となり下落。長期金利は2.85%台まで上昇。金と原油は共に反発。

5月ADP雇用者数     →  17.8万人

1-3月GDP(改定値)  →  2.2%


ドル/円108.75 ~ 109.07

ユーロ/ドル1.1594 ~ 1.1676

ユーロ/円  126.23 ~ 127.31

NYダウ   +306.33  → 24,667.78ドル

GOLD  +2.40 →1,306.50ドル 

WTI  +1.48   → 68.21ドル  

米10年国債  +0.074  → 2.855%

 
本日の注目イベント

日 4月鉱工業生産
日 ブラード・セントルイス連銀総裁が都内で講演
中 中国 5月製造業PMI(速報値)
中 中国 5月非製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月失業率
欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
英 英4月消費者信用残高
米 新規失業保険申請件数
米 4月個人所得
米 4月個人支出
米 4月PCEコアデフレータ
米 5月シカゴ購買部協会景気指数
米 4月中古住宅販売件数成約指数
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米 ブレイナード・FRB理事講演
加 カナダ1-3月期GDP
加 G7(カナダ)


 前日「リスクオフ」が加速し、大きく値を下げた市場は反発し、一方大きく買われた安全資産は売られました。前日の各市場の動きはやや過剰反応だったようです。恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」を良く見ると、あれだけの混乱でも「17」前後で、恐怖が高まるとされる「20」を超えることはありませんでした。もちろん、イタリアの政局が混沌としていることに変わりはなく、この先同じような動きになることは十分考えられることから、引き続き南欧の政局には注目していかなければなりません。

 ドル円は昨日の東京時間でも、株価が一時は400円以上も下落する場面があったものの、底堅い動きを見せていました。その流れが欧州市場でも継続され、大きな値動きにはつながらなかったものの、NY市場では109円07銭前後までドルが買い戻されています。イタリアでは5年債と10年債の入札がありましたが、無事に通過したことで長期債も買われ、長期金利は前日に比べ28bp以上も下落し、2.84%台まで低下し、落ち着きを取り戻しました。米国債も、市場の落ち着きを好感し、前日大きく買われた反動もあり、この日は下落。長期金利も2.85%台まで上昇し、ドル円のサポート材料になっています。

 ドル円は一時109円台まで反発したものの動きは緩慢です。イタリア情勢の不透明さはやや後退したものの、米朝首脳会談や、米中貿易問題、あるいは自動車の関税引き上げ問題など、まだ先行きが読めない材料が残っていることで、投資家も積極的に取引に参加できないことが背景かと思われます。特に米中貿易問題では、トランプ大統領は譲歩する姿勢は見せず、中国が米国の知的財産権を侵害したことに対する制裁として、6月中にも中国製品に追加関税を発動すると発表しています。3回目の米中貿易協議は来月2~4日に開催されますが、米国側は中国に対して2000億ドル(約21兆1800億円)の貿易赤字削減を求めていますが、中国側がどこまでこれに応じるのか予断は許さない状況です。以前と比べ、中国側の対応もこれまでよりは硬化してきた印象もあります。引き続き、この問題と自動車の輸入関税引き上げ問題は円の上昇圧力として意識しておかなければなりません。

 本日のドルは堅調な動きを見せると思われますが、上値も上記材料を考えると大きく伸びるとも思えません。明日は5月の雇用統計が発表されることもあり、活発な値動きは期待できません。予想レンジは108円50銭~109円30銭程度とみています。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)