先週木曜日の夜、アメリカが米朝首脳会談中止を発表。しかも声明文からは、北朝鮮が相当ひどい対応をしているであろうことが推測され、アメリカ側が激怒していることが伺えました。それを受けて、海外の株価は急落、為替も急落。瞬間的には108.9円台を記録する場面もありましたが、結果的には1ドル=109円のサポート帯で下支えされる形となりました。
 
 さて、今週の見通しについて。北朝鮮動向は予測が困難ですので、チャート分析の観点からみていきましょう。過去2カ月ほど続いてきた円安トレンド(3月底値104円→5月高値111円)から、円高トレンドに転換する可能性を意識せざるを得ない状況といえるかもしれません。具体的に注目すべきは、下値サポート帯の109円台。今週もこの109円台の攻防がしばらく見られるかもしれません。(110円くらいへ反発したり、再び、109円近辺に迫ったり)。いずれにしましても、重要なサポート帯である109円台を完全に割り込みますと、暴落とか急落とかそんな大げさなことではないのですが、いくらか円高が拡大する可能性が高まります。具体的には4月後半から円安が加速する前の水準、すなわち107円から106円台へ戻るくらいの円高が想定されます。
 
 ユーロ円について。これはもう北朝鮮問題とは関係なく、読者の皆様と共に、ある重要水準を意識してきたわけですが、その重要水準を完全に下抜けてきましたね。先週号でも次のように注目しました。「この先、129円~130円の水準が重要度が高い」「もしも、その水準から下抜けるような展開になりますと、やや大きめの相場変動につながる」。結果的に、先週その重要水準を下抜けてしまい、週末は短期的な下落メド127円台前半に到達しました。今後につきましては、短期的な下落メド(127円台前半)に到達したことにより、一旦は反発を挟む可能性も考えられるでしょう。ただ、中期的にはこれまで繰り返し書いておりますように、最大で123円あたりを目指してユーロ安が進む展開も想定しておきたいです。
 
 各通貨がぐらついているなか、高金利通貨として人気のメキシコペソはいいです。先週は、為替相場全体の波乱の影響を受けて、メキシコペソも一時的に乱高下する場面はありましたが、結局、5.6円前後の水準で「比較的安定している」と表現してよいでしょう。先週発表されたメキシコの経済指標はまずまず。GDPは前年比プラス1.3%で、新興国としては全然ものたりない数値なのですが、メキシコは、いろいろとトランプさんにいじめられてNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉も長引いているなかで、主要経済指標は、最低限のまずまずの数値が出ていると思います。
 
 トルコリラは下げ止まっています。先週水曜日に一時1リラ=22円台前半まで急落する場面がありました。トルコ当局(中央銀行)は、トルコリラ急落を止めるために、緊急利上げを発表して、さらに、週末は、輸出業者に対する緩和措置(ドル建て債務をリラで返済することを認める。つまり無理にリラを売ってドルを買わなくていい措置)を発表。これら一連のリラ安を阻止する防衛策により、週末は1リラ=23円をキープしています。チャート分析においては、トルコリラの下落トレンドにこれといって変化はなく、ただ、短期的に24円より下の水準は行き過ぎとの判断になり、とりあえず24円を回復することを期待したいです。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)