格付け会社フィッチは昨日、トルコ中銀の独立性を巡り強い懸念を表明した。エルドアン大統領が先週、大統領選後は金融政策運営に直接関与して金利を引き下げる考えを示した事に対し、「中銀の独立性を低下させようとするあからさまな脅威は、政策決定環境と政策の有効性に対するリスクを増大させる」と警告。これが引き金となり、トルコリラ/円は本日早朝にストップロスを巻き込みながら一時22円台へと急落した。

 トルコ中銀は、昨年1月には通貨防衛のために緊急利上げを行った実績もあるが、大統領選(それもエルドアン氏の再選が有力な)を約1カ月後に控えているとあって今回は難しいとの見方が一般的だ。中銀は先週16日に、リラの下落に対して「必要な措置を講じる」と表明したが、市場は「口先介入」に過ぎないとタカをくくっている。トルコ中銀が、大統領に逆らってまで利上げができるとは思えない上に、リラ買い介入で投機筋を打ち負かせるだけの外貨も保有していない。当面は、トルコリラに対する逆風が収まる公算は小さいと見られ、安易な逆張りのリラ買いはできる限り慎むべき局面だろう。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)