電気・水道・ガスを含む中国のインフラ投資は1月~3月の8.3%増が、1月~4月では7.6%増へ減速した。2013年から2017年前半にかけて20%前後の高い伸び率と比較すると大きなブレーキになっている。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は5月22日、「とうとうインフラ投資が息切れ」と題したレポート(全9ページ)を発表し、中国経済の現状を分析した。レポートの要旨は、以下の通り。
 
◆2018年1月~4月の固定資産投資は前年同期比7.0%増(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)と、1月~3月の7.5%増から減速した。インフラ投資は2013年から2017年前半にかけて20%前後の高い伸び率が続き、中国の景気を下支えしてきたが、2017年後半以降、特に2018年に入ってその勢いは大きく鈍化している。この背景には、地方政府債務の急増につながり得るPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:官民連携)プロジェクトの一部停止や見直しが広がったことがある。こうした状況は当面続く見通しであり、固定資産投資全体の下押し要因となろう。
 
◆5月17日~18日に貿易摩擦問題を巡る米中閣僚級協議が開催され、19日に共同声明が発表された。米中が貿易戦争に突入する事態がひとまず回避されることになったのは朗報と捉えられるだろうが、あまり手放しで喜ぶわけにはいかない。合意事項は具体性に乏しく、問題が何時蒸し返されてもおかしくはない。その一方で逆の心配もある。習近平一強体制が構築された中国では、中央の政策の実効性が高く、米国からの輸入を大きく増やすために、日本を含めた他国・地域からの輸入が抑制されるといった事態が生じないかにも目配りが必要となろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)