ハーツユナイテッドグループ <3676> は、ソフトウェアをテストして不具合を検出するデバッグ事業を主力として、事業ドメイン拡大の成長戦略を加速している。18年3月期は先行投資負担などで営業減益だったが、19年3月期は大幅増収増益・増配予想である。なお18年7月1日付で商号をデジタルハーツホールディングスに変更する。株価は決算発表を機に反落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。
 
■デバッグ事業が主力、ゲームデバッグの国内シェア1位
 
 ソフトウェアをテストして不具合を検出するデバッグ事業(コンシューマゲームリレーション=CS、デジタルソリューションリレーション=DS、アミューズメントリレーション=AM)を主力としている。総合ゲーム情報サイト運営などのメディア事業、ゲーム開発・CG映像制作などのクリエイティブ事業、その他(システム開発など)も展開している。
 
 エンターテインメント分野のゲームデバッグで国内シェア1位である。8000名を超える登録テスター、全国15拠点のネットワークを強みとして、100万件を超えるデバッグ検出実績を誇っている。18年3月期の売上構成比(連結調整前)はデバッグ事業が82%、メディア事業が4%、クリエイティブ事業が10%、その他が5%だった。
 
 なお18年7月1日付で商号をデジタルハーツホールディングスに変更する。また19年3月期からセグメント区分を、エンターテインメント事業(従来のゲームデバッグ、クリエイティブ、メディア)と、エンタープライズ事業(従来のシステムテスト、その他のシステム開発・ITサポート)に変更する。
 
■事業ドメイン拡大の成長戦略を加速
 
 17年6月に玉塚元一代表取締役CEOが就任し、新経営体制下で「第2創業期」と位置付けて経営改革を実施し、既存事業への成長投資や新規分野へのチャレンジなど新たな取り組みを開始している。
 
 事業戦略としては、アウトソースニーズの拡大という環境変化に対応し、事業ドメインを拡大して成長を加速させる方針だ。エンターテインメント分野では、ゲームを中心にデバッグサービスの収益機会を拡大するとともに、クリエイティブメディアやカスタマーサポートの分野にも事業を拡大する。またゲームデバッグでのIT技術、豊富な人材、ノウハウを活用して、システムテスト、ITサポート、セキュリティといったエンタープライズ分野の新市場開拓も加速している。
 
 目標数値として3年を目標に遅くとも5年以内に、売上高500億円(エンターテインメント向け事業250億円、システムテスト事業100億円、ITサポート・セキュリティ事業100億円、海外事業50億円)と、EBITDA100億円の達成を目指している。M&Aやアライアンスも積極活用し、人によるテストと自動化・AIによる効率的なテストを組み合わせた総合的なソリューションを実現する方針だ。
 
 17年9月テクニカルサポート分野でNTTマーケティングアクトと協業、17年11月システムテスト分野でマイクロフォーカスエンタープライズおよび日本ヒューレット・パカードと協業、セキュリティ分野でエフセキュアと協業、18年2月スタジオベントスタッフ社からのゲーム攻略本制作事業を譲受、オプト社とゲーム攻略サイト企画・運営に係る業務提携契約を締結した。
 
 18年4月には、GNTと業務提携およびベトナムにおけるテスト専門会社設立で合意、NTT東日本と協業してセキュリティ事業を本格化、セキュリティソリューションサービス「DH Secure」の提供を開始した。5月11日にはバルテスと資本業務提携(出資比率15%、6月29日取得予定)に関する基本合意書締結を発表した。
 
■18年3月期営業減益だが、19年3月期は大幅増収増益・増配予想
 
 18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比12.4%増の173億53百万円、営業利益が9.0%減の17億35百万円、経常利益が10.7%減の17億82百万円、純利益が51.0%増の12億円だった。
 
 事業別の売上は、デバッグ事業が16.3%増収(CSが19.8%増収、DSが21.0%増収、AMが9.3%減収)で、メディア事業が15.2%増収、クリエイティブ事業が19.4%増収、その他が31.8%減収だった。売上高は概ね計画水準で過去最高だったが、営業利益と経常利益は増益予想から一転して減益での着地となった。
 
 メディア事業で18年1月に初開催した格闘ゲーム大会のスポンサー収入が想定を下回ったこと、運営コストが想定以上に嵩んだこと、デバッグ事業の新規領域であるエンタープライズ分野への積極的な先行投資を実施したことが影響した。売上総利益率は28.6%で0.6ポイント低下、販管費比率は18.6%で1.8ポイント上昇した。純利益は減損損失が大幅に減少したため大幅増益だった。
 
 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比21.0%増の210億円、営業利益が26.7%増の22億円、経常利益が24.8%増の22億24百万円、純利益が27.7%増の15億33百万円としている。売上高、営業利益は過去最高更新予想である。
 
 エンターテインメント事業では、GC(ゲームコンソール)やMS(モバイルゲーム)の売上増、および原価率改善を図る。エンタープライズ事業では先行投資の成果として稼働率向上を推進する。なお上期は引き続き投資フェーズで、下期から収益に貢献する見込みとしている。
 
 18年3月期の配当は年間11円50銭(第2四半期末5円50銭、期末6円)とした。17年3月期(16年10月1日付株式2分割を考慮して年間11円50銭に換算)と実質同額となる。19年3月期の配当予想は18年3月期比1円50銭増配の年間13円(第2四半期末6円50銭、期末6円50銭)としている。予想配当性向は18.5%となる。
 
■株主優待制度は毎年3月末に実施
 
 株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上所有株主に対して実施している。1単元以上~2単元未満所有株主に対しておこめギフト券3kg分、2単元以上所有株主に対しておこめギフト券6kg分を贈呈する。
 
■株価は売り一巡して反発期待
 
 5月16日に第三者割当割当予定先はドイツ銀行ロンドン支店)による第4回~第6回新株予約権の発行、および新株予約権買取契約(ターゲット・イシュー・プログラム「TIP」)締結を発表した。新株予約権数は合計4万800個で、潜在株式数は合計408万株となる。
 
 株価は決算発表を機に戻り高値圏1800円台から反落したが、2月安値1402円まで下押すことなく、1600円近辺から切り返す動きだ。
 
 5月18日の終値1697円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円34銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS154円61銭で算出)は約11倍である。時価総額は約405億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)