ドル円は欧州時間に110円台をテストしたものの、乗せ切れず反落。NYでは4月のCPIが予想を下回ったことからドル売りが優勢となり109円30銭まで円が買われる。ドルが売られたことでユーロの下落も一服。ユーロドルは1.1947まで反発する場面も。

 株式市場は大幅に続伸。半導体銘柄が買われ、ダウは196ドル上昇。ダウはこれで6営業日続伸。債券は反発。前日3%の大台に乗せて引けた10年債利回りも低下し、2.96%台で引ける。金は4日ぶりに反発。原油価格は中東情勢を背景に再び買いが強まり71ドル台後半まで上昇。引け値でも71ドル36セントと、直近高値を更新。

4月消費者物価指数  → +0.2%
新規失業保険申請件数 → 21.1万件
4月財政収支     → 2143億ドルの黒字

ドル/円   109.30 ~ 109.65
ユーロ/ドル 1.1871 ~ 1.1947
ユーロ/円  130.10 ~ 130.77
NYダウ   +196.99 → 24,739.53ドル
GOLD   +9.30   → 1,322.30ドル
WTI    +1.36   → 71.36ドル
米10年国債 -0.027  → 2.962%

本日の注目イベント

米  4月輸入物価指数
米  5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米  カナダ4月就業者数
加  カナダ4月失業率


 昨日この欄でも述べましたが、為替と金利で2つの水準に注目していました。ドル円では再度110円台をテストできるかどうかと、110円台をつけた後その水準を維持できるかどうかという点が1つ目でした。そのドル円は夕方には110円02銭まで上昇し、110円台には到達したものの、今回も結局、「ワンタッチ」でした。その後のNY市場では4月の消費者物価指数(CPI)が+0.2%と、予想を下回ったことで、インフレ懸念が後退しドルが売られ、109円前半まで下落しています。現時点では「110円の壁」が徐々に存在感を増しているといったところです。

 昨日も説明したように、110円から110円半ばには実需のドル売りを含め、大量の注文が並んでいたものと思われます。もちろん、どれほど多くのドル売り注文があろうと、抜けるときは簡単に抜けるものですが、為替ディーラーも自分で保有している「大量の注文額」を利用して「悪さ」をすることもあります。その結果、110円近辺が益々厚い壁になってくることもあります。

 2つ目の注目点が、米長期金利が3%台を維持できるかどうかという点でした。米長期金利との相関を取り戻したドル円は、米長期金利が上昇するのであれば110円台を固める可能性もあったからです。結果は3%台を維持できず、再び押し戻されています。結局、現時点では110円台に乗せ切れずやや下落していますが、ここから注目したいのは、109円台で留まっていられるのかどうかです。109円台を維持できるのであれば、三度(みたび)110円をテストする可能性があり、107円程度まで売り込まれるようだと、105-110円のレンジに戻ってしまうからです。いずれにしてもドル円は重要な水準にいて、正念場であることに変わりはないと思われます。

 米朝会談の日程と場所が発表されました。トランプ大統領は昨日ツイッターで「大いに期待されている金委員長と私との会談は、6月12日シンガポールで実現する」と明らかにし、「世界平和のために2人で努力し、非常に特別な瞬間にしたい」とツイートしました。(ブルームバーグ)歴史的な会談が開催されますが、会談では北朝鮮の非核化実現までの期間が焦点になろうかと思います。

 イスラエルがシリア内にあるイランの軍事施設に大規模な攻撃を行うなど、中東の地政学的リスクは依然として沈静化する気配はありませんが、市場は徐々にリスクオンに傾いてきているように思えます。トランプ大統領は昨日も北朝鮮から解放された米国人3人迎えるため、わざわざ米軍施設まで出向き、タラップの上まで登り、飛行機の出口で3人と握手する演出を見せていました。11月の中間選挙に向けて猛アピールといったところです。米朝会談が成功裡に終わり、北朝鮮の非核化で合意ができるようなら、次の材料は、米中間選挙とロシア疑惑と見ています。

 本日のドル円は109円~109円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)