ドル円は109円台で小動き。それでも東京市場でのドル高の流れを受け、109円83銭まで買われる。米長期金利が3%台の大台に乗せたことも支えに。ユーロドルの下落は止まらず、欧州時間には1.1823まで売られ、前日の安値を更新。NYでは1.18台半ばから後半で推移し、下落は小休止。

 株式市場は大幅に上昇。北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放したことを手掛かりに、リスク選好が拡大。銀行株を中心にダウは182ドル高で取り引き終える。債券は続落し、長期金利は4月25日以来となる3%台に乗せる。10年債入札では投資家の需要が確認されたものの、リスクオンが進む。金は3日続落。原油はイランの原産量が減るとの見通しから買われ、大幅に続伸。71ドル台まで上昇して引ける。

4月生産者物価指数 → +0.1%

ドル/円   109.57 ~ 109.83
ユーロ/ドル 1.1841 ~ 1.1897
ユーロ/円  129.93 ~ 130.48
NYダウ   +182.33 → 24,542.54ドル
GOLD   -0.70   → 1,313.00ドル
WTI    +2.08   → 71.14ドル
米10年国債 +0.028  → 3.004%

本日の注目イベント

日  3月貿易収支
日  3月国際収支
日  4月景気ウオッチャー調査
中  中国 4月消費者物価指数
中  中国 4月生産者物価指数
欧  ECB経済報告
英  英3月貿易収支
英  英3月鉱工業生産
英  BOE金融政策発表
英  BOE議事録
英  BOE、四半期物価報告
米  4月消費者物価指数
米  新規失業保険申請件数
米  4月財政収支


 為替市場では大きな動きはなかったものの、米国が正式にイラン核合意からの離脱を発表したことで原油価格が一段と上昇し、昨日のNY原油先物市場ではWTI原油価格が前日比2ドルを超える上昇を見せ、引け値で71ドル台に乗せました。これは2014年11月以来ということで、米国では折からのインフレ懸念が広がっているところに、正に「火に油を注ぐ」状況になってきました。FRBが最も注目しているとされるインフレ指標の『PCEコアデフレーター』は、直近で1.9%まで上昇しており、原油高から輸送費の上昇が見込まれ、2%の大台乗せは近いものと思われます。

 そして、その先にあるのが政策金利の引き上げです。市場は今年さらに2回の利上げを織り込んでいますが、さらに1回増えて、3回という可能性も高まってきます。米長期金利も昨日は再び3%の大台に乗せてきました。前回3%の大台に乗せた際には、大台での滞空時間は短く、今回は3%台を固めるのかどうかが注目されます。米長期金利との相関関係が戻ってきたドル円は、今後金利が上昇すればもう一段ドル高が進むことも予想され、こちらも110円台に乗せ、その水準を固められるのかどうかが焦点です。

 ドル円はそれほど目だった動きはないものの、109円台後半までドル高が進んできました。昨日の東京時間の朝10時辺りからドル買いが目立ち、109円20銭前後で推移していたドル円は109円60銭前後まで、比較的スピード感を伴って上昇しました。リクルートが米国の人材関連会社のグラスドアを12億ドル(約1300億円)で買収するというニュースがきっかけとの事でした。実際にその玉が市場で手当てされたのかどうかは分かりませんが、連日政治的ニュースや地政学的ニュースだけに翻弄されている市場にとっては、格好の材料だったのかもしれません。結局ドル円は、これ以降109円台半ばを下回ってはおらず、NYでのドル堅調な流れにつながっています。

 北朝鮮の融和政策は現時点ではさらに前進しているようです。ポンペオ国務長官の2度目の訪朝で、拘束されていた3人の米国人の解放が決まりました。トランプ大統領もこの措置を評価しており、歴史的な米朝首脳会談開催が着々と進んでいるようです。ここまできたら、日本人の拉致被害者も一気に解放へと進んで欲しいと願うのは筆者だけではないと思います。拉致被害者家族の高齢化が進み、残された時間はそう多くありません。今回のこの融和ムードが最後のチャンスかもしれません。

 ドル円は109円を中心に上下50銭のレンジを上抜けしてきました。本日の上値のメドは当然110円ということになります。前回の110円を巡る攻防では、110円台には乗せたものの、『ワンタッチ』と言ってもいい程度のものでした。しかも日本がGW中でもあり、いわば蚊帳の外での出来事だった印象もあります。本日この水準をテストする場面があれば、110円から上方ではドル売り注文が相当並ぶことは想像に難くありません。昨日決算発表を行ったトヨタ自動車も、2019年3月期前半の為替レートは「105円」に設定していました。トヨタの場合、単純計算で5円の円安は2000億円の増益要因になります。ということで、本日の予想レンジは109円20銭~110円20銭程度にしたいと思います。

 一気に110円を目指すことにはならないと思いますが、株価の安定を背景にドル円は底堅い動きになると予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)