トルコリラの下落が止まらない。対円、対ドルとも4日にリラの史上最安値を更新した。投機筋を中心にリラ売りに動く背景には、(1)米国の継続利上げでドル高基調にある事、(2)中でもトルコは経常赤字国で高インフレ国である事、(3)エルドアン大統領の圧力でトルコ中銀のインフレ抑制策(利上げ)が後手に回るとの観測、などがある。

 (1)米国の利上げ局面では、メキシコペソが暴落した1994年の「テキーラ・ショック」や、1997年のタイバーツ急落が引き金となった「アジア通貨危機」など、新興国ショックが起きるケースがある。国際投資家の資金が新興国から米国に向かう事で新興国通貨安が進みやすくなるためだ。(2)中でも、経常赤字の穴埋めを海外資金に頼る国は、資金流出の危機にさらされやすくなる。資源輸入国であるトルコでは原油高も経常赤字拡大要因となるため不安材料となりやすい。(3)先日、トルコ中銀は利上げを行ったが、4月インフレ率は10.85%と高止まりしている。次の中銀理事会は6月7日だが、総選挙・大統領選挙(24日)の直前とあって、低金利主義者のエルドアン大統領に配慮して利上げできないとの観測が根強い。

 当面は、トルコリラ安圧力がかかり続ける公算が大きく、トルコリラ/円相場も下値リスクを意識しておくべきだろう。25円の節目を割り込めばストップロスを誘発して下げが加速する可能性もある。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)