■文明の十字路であり親日であるトルコと金

 トルコは、新興国として注目されるようになりましたが、金の消費国としても有名です。ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council : WGC)の統計によれば、消費国の第4位に位置づけされています。その消費需要は世界の6%を占めているとのことです。

 トルコは、その地理的な位置からヨーロッパとアジアをつなぐ位置にあり、当然のことながら文明の十字路としてその歴史を作ってきました。古代オリエント文明、ギリシャ・ローマ文明、ビザンチン文明、そしてイスラム文明などが興亡し、イスタンブールなどは大帝国の首都としての機能を何度も果してきました。この諸文明の富と芸術、工芸品に磨かれて金の文化が根付いてきたと考えられます。

 このトルコは親日国でもあり、歴史的背景から日本に対する親近感が強い国でもあります。日本も「黄金の国ジパング」として古くからあこがれの地として知られてきましたが、東の端の島国である日本とアジア大陸の西の端にある国トルコは、ともに親近感があるだけでなく、金を背景とした文化をともに育んできました。

■トルコにおける金事情

 トルコは、インドと同じく伝統を背景に、婚礼や宗教儀式において金の装飾品が使われるようです。そして、多くの家庭が自宅に金を現物保有する習慣があるようです。経済発展とともに、金の保有のあり方は多様化する可能性もありまが、実際は現物保有の習慣が根強いようです。

 上記で述べた家庭が所有する現物資産は、3,500トンに上るとのことです。そして、こうした金はインフレや通貨安のヘッジが目的として保有することが目的のようです。
 一方で、わずかながら、金の採掘もされており、今後はニーズの増加とともに増えてくる可能性があります。

 また、トルコ中央銀行は、金の購入と保有に積極的です。官民ともに金への需要は依然として大きく2018年における金需要においてどのような役割を果たしてくるのか、ウォッチしていく必要があると思われます。

■終わりに

 経済情勢を背景としてその地位を維持しながら、トルコの金需要がどのようになるかは引き続き注目されます。トルコは、地政学的にも重要な位置にあることから、国際情勢の中でもどのような役割を果たしていくのか、金市場に与える影響はという点でも注目されるといえるでしょう。

 1890年のエルトゥールル号遭難事件の事故で、日本人がトルコの遭難者を助けたということをきかっけにトルコと日本は友好関係を築いてきたといわれます。それから120年以上経ち、あと少しで130年を迎えようとしています。このようなアジアの両端にある日本とトルコは、引き続き、金需要においては重要な位置を占め続けていくことは間違いないでしょう。

 今回は、親日国トルコの金事情についてと題してお話しさせていただきました。(情報提供:SBIゴールド)(イメージ写真提供:123RF)