ドル円は中東情勢が再び悪化したことで円を買う動きが強まり106円65銭までドルが売られる。ユーロドルは小幅に続伸し、1.2396まで上昇。ドル安の流れからユーロが買われた。株式市場は大幅に反落。シリアを巡り米国とロシアの関係も緊張を増してきたことからダウは218ドル安。連日値幅を伴って不安定な動きが続く。中東情勢に加え、米ロ関係でも緊張が高まってきたことで安全資産の債券は買われる。長期金利は2.78%台へと低下。金と原油は続伸。共に中東情勢の緊張が背景。原油価格は一時67ドル台半ばまで上昇し、3年4カ月ぶりの高値を記録。

米 3月消費者物価指数 → -0.1%

米 3月財政収支     → -2087億ドル

ドル/円106.65 ~ 107.06

ユーロ/ドル1.2347 ~ 1.2396

ユーロ/円  132.02 ~ 132.39

NYダウ   -218.55  → 24,189.45ドル

GOLD  +14.1 →1,360.00ドル 

WTI +1.31 → 66.82ドル  

米10年国債  -0.020 → 2.781%

 
本日の注目イベント

欧  ユーロ圏2月鉱工業生産
米  新規失業保険申請件数
米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
米  企業決算 →ブラックロック

 ドル円はシリア情勢を巡る緊張から再び107円を割り込み106円台半ばまで下落。なかなか107円台定着とはいきません。一方株式市場では荒っぽい動きが続き、前日の大幅高から一転して売られ、ダウは218ドル下落し、リスク回避の動きが強まってきました。

 シリアを巡るイスラエルとイランの対立も緊迫してきました。報道によりますと9日、イスラエル軍と見られるシリア軍事基地への攻撃で死傷者が出た模様です。シリアの死傷者の中には自国の兵士もいることからイランは、報復的な軍事行動を検討しているようです。一方シリアのアサド政権を支持しているロシアに対してトランプ大統領はツイッターで、「ロシアはシリアへの全てのミサイルを撃ち落すと言っている。ロシアよ、準備しておけ。ミサイルは飛んでいく。立派で新しくて高性能なミサイルだ」と、挑発的な発言を行っています。

 朝鮮半島の緊張が和らいできたと思ったら今度は再び中東問題です。しかも今回はロシアやイラン、あるいはトルコも巻き込んだ広範囲にわたる混乱の可能性も出てきました。米国は英仏と共同で、早ければ今週中にもシリアを攻撃する可能性がありそうです。このため昨日は原油価格も大幅に上昇し、WTI原油価格は一時67ドル45セントまで買われ、3年4カ月ぶりの高値をつけています。また資金の逃避先としての金価格も4日続伸し、1360ドルまで上昇しています。

 このように見ると、為替市場は株式市場ほどの混乱は見せてはいないものの、ここ1、2週間ではやはりドル下落リスクの方が高いと認識しておくべきでしょう。仮に米国がシリアを攻撃しても、昨年4月の攻撃のように短期決戦で済むようなら為替市場への影響は軽微と思われますが、そこはロシアの出方次第いうところもあります。

 むしろ個人的には来週行われる日米首脳会談の方が、トランプ大統領の発言次第ですが、為替への直接的な影響は大きいと考えます。対中国にも圧力をかけ、現時点では中国側が譲歩する形で「果実」を手にしているトランプ政権。同じようなことを日本にも仕掛けてくる可能性は否定できません。日本側は、米国の関税引き上げ対象国からの除外を求めると見られますが、これまでのトランプ大統領の発言を考えると、そう簡単ではありません。「長い間、日本は米国をだましてほくそえんできたが、それはもう終わりだ」そう言った意味の発言も行っているトランプ大統領です。為替問題や通商問題について、直球を投げてくることも想定されます。

 本日も動きにくい展開です。上値は107円台半ばが「壁」になりつつありますが、下値のほうも106円台半ばでは下げ止まっています。本日はこの106円台半ばが下抜けするのかどうかが注目点の一つでしょう。レンジは106円20銭~107円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)