本日は、習近平・中国国家主席がボアオ・アジアフォーラムで行った演説を受けて円が全面的に下落。習氏が、対話こそが(貿易)問題解決の方法などと述べた事で米中貿易戦争への懸念が緩和するとアジア株高とともに豪ドル高も進み、演説前に82.10円前後で推移していた豪ドル/円は、一時82.90円台まで約1%急騰した。

 ただ、ここから先はシリア情勢の緊迫化にも注意が必要だろう。シリア・アサド政権による化学兵器使用疑惑をめぐり、昨日トランプ米大統領は「24-48時間以内に重要な決定を行う」と発言した。昨年も、米中首脳会談の最中にシリア空爆を行った経緯があり、今回も軍事行動を視野に入れているようだ。昨年同様に単発的な空爆(といっても59発の巡航ミサイルを撃ち込んだが)にとどまれば、ショックが尾を引く事はないと見られるが、一時的にはリスク回避の動きが強まる可能性がある。

 豪ドル/円は、「リスク」に対する反応が正反対になるケースが多い豪ドルと円の組合せであり、リスク選好時に最も上昇しやすい反面、リスク回避時に最も下落しやすい通貨ペアのひとつだ。このため、外部環境の急変に振り回される事が多いという特徴がある。本日も乱高下に注意が必要な市場環境と言えるだろう。

(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)