ドル円は欧州時間に107円20銭まで上昇したが、NY時間では反落。FBIがトランプ大統領の顧問弁護士を捜索したとの報道や、ユーロなどでドルが売られたことで106円62銭まで下落。ユーロドルは反発。ドラギ総裁がユーロ圏の経済見通しに強気の発言を行ったことで、1.2331までユーロ高が進む。株式市場は反発。テクノロジー株が買い戻され大幅高になったものの、引けにかけては上げ幅を縮小。ダウは46ドル高、ナスダックは35ポイント高で取り引きを終える。債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.78%前後で推移。金は続伸し、原油は大幅に反発。
 

ドル/円106.62 ~ 107.11

ユーロ/ドル1.2282 ~ 1.2331

ユーロ/円  131.38 ~ 132.00

NYダウ   +46.34  → 23,979.10ドル

GOLD  +4.00 →1,340.10ドル 

WTI +1.36 → 63.42ドル  

米10年国債  +0.005 → 2.779%

 
本日の注目イベント

米  3月生産者物価指数
米  カプラン・ダラス連銀総裁講演(北京)
加  カナダ2月建設許可件数


 ドル円は円高圧力がやや後退してはいるものの、まだ上値の重い展開が続いています。昨日のドル円は107円を挟んで推移していましたが、107円台では前半までで上昇が抑えられ、NY市場ではシリア問題や、トランプリスクなどが意識されて106円台半ばまで押し戻されました。

 シリア情勢が再び混迷を強めてきました。シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派の拠点が空爆され死傷者が出ている模様です。報道では確認されてはいないものの、アサド政権が化学兵器を使用したのではないかとの疑惑が高まっているとしています。トランプ大統領はこの問題で、シリアに対する米国の報復措置について2日以内に決定すると述べ、ロシアのプーチン大統領が責任の一部を負うことになる可能性があることも示唆しています。(ブルームバーグ)トランプ大統領は、昨年4月にシリアを攻撃したこともあり、市場では再び攻撃の可能性があるのではないかとの見方が強まっています。

 大統領は中国との貿易問題に関して、米国は中国と合意に達することができるだろうと楽観的な見方を示していますが、一方で自身の顧問弁護士がFBIの捜査を受けていることも報道されています。NYタイムズは、トランプ大統領の顧問弁護士マイケル・コーエン氏の事務所を捜索し、書類を押収したと伝えています。大統領にとって「内憂外患」の日々が続き、今世界で最も多忙な人物と言えるのではないでしょうか。

 北朝鮮問題と中国との貿易問題は、市場が懸念するほど悪化するとの見方は後退し、やや落ち着き取り戻した印象です。しかし、再びシリア問題とトランプ大統領自身の身辺問題が慌しくなり、次から次へと難問が出てきます。ドル円は大きくは105-110円のレンジに入った可能性も意識されますが、それでもまだ下方リスクの方が高いと見ています。

 今週は明日発表される3月の消費者物価指数(CPI)に注目していましたが、上述のように、米国がシリアを爆撃する可能性も出てきました。もしそのような事態になったら、ロシアやイラン、さらにはトルコがどのような反応を見せるのかも注目されます。本日のドル円予想レンジは106円20銭~107円20銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)