低迷していた為替は先週、1カ月以上ぶりに終値で1ドル=107円を回復する日もありました。が、週末は106円台後半へと少し押し戻されました。米ドル円相場は1月の高値113円からずるずる下落して、2月には105円台に到達。3月は一時104円台に突入するなど、下落トレンドおよび低迷期が約3カ月も続きました。短期的な方向性の分析において、これほど同一方向の動きが続くのは珍しいです。先週は、重要な抵抗帯と位置付けていた106円台後半の水準をブレイクすることに成功。短期チャート分析の教科書的な判断としましては、円安トレンドに転換して、ここからある程度、円安に戻ることが期待される状況との見方になります。
 
 先週金曜日夜は、再び106円台後半の水準まで戻ってきました。これはトレンド転換した後に、よく見られる現象で、「重要なポイントをブレイクした後、一度、そのポイントまでの戻りが入る」。法則というほどではないのですが、このような動きはしばしば見られます。したがいまして今週は、この106円台で踏ん張りながら、円安への戻りを期待してよいのではないかと思われます。具体的には109円から110円を超えるほど反発が伸びる可能性があると考えられます。逆に、ドル安(円高)要因が強まった場合に、注視すべきはやはりこの106円台。現状、可能性は低いのですが、万が一、この106円台から下方に崩れてしましすと、今回のトレンド転換のサインがダマシだったということになり、再び、厳しい状況に(円高、低迷が想定される状況)に陥ることになります。が、その確率は低いと見てよいのではないかと思われます。
 
 メキシコペソについて。2018年は為替相場が全体的に下落していて、重たい雰囲気なのですが、メキシコペソだけは、その全体の流れにのまれることなく、非常に堅調に推移しています。年始1ペソ=5.72円に対して、先週末は5.84円と2%以上の年初来プラスです(米ドル円にたとえるなら2円以上の円安)。メキシコペソ投資は、毎日、高い利率のスワップ利息がつきますので、為替レートは別に上がらなくても殖えますし、すでにメキシコペソを買った読者の方々も、もっと買い増しする計画でしょうから、どちらかというと、「あまり値上がりしてもらっても困る」というお気持ちではないでしょうか。通常、投資は、値上がりすればするほど嬉しいものですが、あまり値上がりしないで欲しいと言われるような投資対象は今、メキシコペソくらいではないかと思います。今後もし、メキシコペソが下落すれば、段階的に買い下がるような戦略アイデアも考えられると思います。

 アメリカNYダウ株価については、「貿易戦争」の話題で、1日のうちに簡単に何百ドルも急騰したり急落したり、とんでもなく荒れています。大きな視点で見ますと、以前、指摘しましたように、1月の高値と2月の安値を頂点とする三角持ち合いの形状から、3月に下方に完全に崩れました。その時点で、短期的な反発はともかく、中期的には「2万2千ドル台へと下落トレンドが続く」などと予想しました。このところ、一旦下げ止まる形になっており、主に2万3千ドル台後半~2万4千ドル台前半を中心とする保ち合いの局面に入っています。こうなりますと、この先、注目されるのは2万3千ドル台後半の下値サポートゾーン。具体的には2万3500~3600ドルあたりなのですが、この下値サポート帯から下抜けてしまいますと、いよいよそこからまた1千ドルくらい下がる展開が想定されます。短期的には、貿易戦争の話題で、相場は一喜一憂するでしょうが、中長期的には、あまりよろしくないチャート形状であることは認識しておきたいです。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)