ドル円は続伸し、約1カ月ぶりに107円台半ばまで上昇。米中の貿易問題が米経済成長を妨げるほどのものにはならないとの見方からNY株が続伸し、長期金利も上昇したことが支えに。ユーロドルは続落。ドル高が進んだことで、こちらも約1カ月ぶりに1.2219前後まで売られる。1.21台を試すかが注目される。

 株式市場は3日続伸。中国との貿易問題で交渉の余地を残していることが買い安心感につながる。ダウは240ドル高。リスクオフがやや後退したことで債券は続落。長期金利は2.83%台に上昇。金は反落し、原油は小幅に反発。

新規失業保険申請件数 → 24.2万件
2月貿易収支     → -576億ドル

ドル/円   107.00 ~ 107.49
ユーロ/ドル 1.2219 ~ 1.2268
ユーロ/円  131.06 ~ 131.50
NYダウ   +240.92 → 24,505.20ドル
GOLD   -11.70  → 1,328.50ドル
WTI    +0.17   → 63.54ドル
米10年国債 +0.029  → 2.832%

本日の注目イベント

日  2月景気動向指数
独  独2月鉱工業生産
米  3月雇用統計
米  2月消費者信用残高
米  パウエル・FRB議長講演
加  カナダ3月就業者数
加  カナダ3月失業率

 米国と中国の貿易問題の成り行きに市場は一喜一憂していますが、昨日はこの問題が米国の経済成長の妨げにはならないだろうとの見方が優勢となり、株価が大きく買われ、債券が売られたことで長期金利も上昇。為替市場では素直にドル高が進み、ドル円は約1カ月ぶりに107円49銭まで買われ、ユーロドルも1.22台前半まで下落するなど、ドル全面高の展開でした。

 トランプ大統領は依然として中国に対して強気の姿勢を崩してはおらず、昨日も「今こそ、中国が米国を利用するのをストップさせる時だ」と述べて、「クドローNEC委員長は米政府が同盟国に対し、通商政策を巡り中国に圧力をかけるよう求めるだろう」と語っています。今朝の最新ニュースでは、トランプ大統領が米通商代表部(USTR)に1000億ドルの追加関税を中国に課すよう指示したとの報道で、ドル円も107円前後まで売られています。

 一方で、「米国は中国と長期的に素晴らしい関係を持つことになるだろうが、この問題を正し、均衡を取り戻す必要がある」とも語っており、やや柔軟な姿勢も見せています。同時に、クドローNEC委員長は「政権が細心の注意を要する交渉を進めており、これにより関税の賦課の必要がなくなる可能性がある」とも語っており、水面下では貿易戦争を避ける交渉を行っていることも示唆しています。中国は既に500億ドル規模の対抗措置を発表していますが、米国側もUSTRが原案を発表するとともに、一般からの意見を募っており、今後柔軟な調整が行われる可能性は十分あると見られます。

 ドル円は昨日のこの欄でも述べた様に、東京タイムに107円の節目を試しましたが、「一次攻撃」では突破できずに押し戻されました。しかし、結局NYタイムにかけて大きく上抜けし、107円49銭までドル高が進みましたが、ここは重要な「日足の雲の下限」であったことから抜け切れなかったと見られます。連日米中貿易問題の報道で右往左往させられていますが、本日は雇用統計が発表されます。

 注目の平均賃金は年率で「2.7%」と予想されています。これが3%に近付くとようだと、2月の発表時に見られたように、長期金利の急騰から株価が急落し、リスクオフから円買いが強まる展開も予想されます。トランプ氏の発言と同時に、ここにも注意が必要です。

 予想レンジは106円40銭~107円60銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)