ドル円は朝方106円台前半で始まり、株価の大幅下落に106円12銭まで売られたが、その後株価が急速に切り返し、長期金利も上昇したことで106円85銭までドル高が進む。ユーロドルは引き続き1.23を挟む展開が続く。やや手詰まり感もあり、値動きも小幅に留まる。株式市場は乱高下。朝方は中国の米国への報復関税発表を材料にダウは500ドルを超える下げに。その後米政権は関税導入を回避する交渉を行う意向があることが伝わると急速に値を上げ、結局ダウは、前日比230ドル高で取り引きを終える。債券も朝方は買われたものの、その後じり安に。長期金利は10日ぶりに2.80%台に乗せる。金は小幅に反発。原油は反落。

3月ADP雇用者数       →  24.1万人

3月ISM非製造業景況指数 →  58.8

2月製造業受注        →  +1.2%


ドル/円106.12 ~ 106.85

ユーロ/ドル1.2271 ~ 1.2310

ユーロ/円  130.27 ~ 131.19

NYダウ   +230.94  → 24,264.30ドル

GOLD  +2.90- →1,340.20ドル 

WTI -0.14 → 63.37ドル  

米10年国債  +0.027 → 2.803%

 
本日の注目イベント

豪  豪2月貿易収支
欧  ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
欧  ユーロ圏2月生産者物価指数
欧  ユーロ圏2月小売売上高
英  英3月サービス業PMI
米  新規失業保険申請件数
米  2月貿易収支
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
加  カナダ2月貿易収支

 ドル円は、値幅は限られるものの神経質な展開が続いています。背景にあるのはもちろん、米中の輸入関税の「引き上げ合戦」です。昨日の東京時間には106円68銭までドルが買われたものの、欧州時間に中国が報復的な米国製品に対する関税引き上げを発表すると、ドル円は一気に106円割れまで下落し、NYでは106円85銭までドル高が進む展開でした。

 中国政府は米国からの大豆やコーンなどの穀物、牛肉、航空機、自動車など、106品目に対して500億ドル(約5兆3000億円)相当の関税引き上げを発表しました。米国が中国に対して1300品目を超える制裁関税を課す原案を発表したことに対する対抗措置で、まさに「貿易戦争」という言葉が現実的になって来ました。この影響で、大豆相場は急落し、昨日朝方のNYダウは500ドルを超える下げで取り引が始まっています。ただその後は、クドロー・国家経済会議(NEC)委員長が「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」と述べたことで、ドル円は大きく上昇し、株価も急反発しました。投資家もこの影響を諮りかねている様子で、市場は乱高下しています。

 米通商代表部(USTR)の発表は5月下旬まで一般からの意見を募ったうえで品目を確定し、最終的にはトランプ大統領の署名を持って発動されることになるため、実際には6月にずれ込むと見られます。またクドローNEC委員長が述べたように、引き続き貿易戦争回避のための交渉が水面下で行われているようですが、トランプ政権が「落としどころ」をどのあたりに定めているのかが焦点になりそうです。このまま両国が発表した通りの関税が実施されれば、米中の企業のみならず、両国民にとっても日常生活に影響が出るのは必至です。同時にその影響は両国だけに留まらないものと思われます。

 ドル円は106円85銭まで上昇したことで、チャート的にも上昇の兆しが点灯しつつあります。既にこの欄でも述べたように、日足のレジスタンス・ラインを上抜けし、MACDでもマイナス圏ではありますが、「ゴールデン・クロス」を見せています。目先の上値のメドは、先週瞬間的に記録した107円近辺でしょう。さらに上昇すれば、久しぶりに「日足の雲の下限」に突き当たることになります。その辺りを考慮すれば、本日の予想レンジは106円20銭~107円30銭程度と見られます。下値のメドは106円が維持できるかどうかでしょう。昨日も106円を一瞬割り込みましたが、直ぐに切り返しています。投資家の相場観やドル買い需要も、徐々に106円前後に上方修正されてきたように思えますが、まだドル下落のリスクは依然として残っているとみておくべきでしょう。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)