生化学工業 <4548> は関節機能改善剤アルツが主力の医薬品メーカーである。3月23日には腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の国内製造販売承認取得を発表した。また3月30日には18年3月期業績予想の修正を発表して大幅増益予想である。株価は急伸した2月高値から反落したが調整一巡感を強めている。なお5月11日に18年3月期決算発表を予定している。
 
■関節機能改善剤アルツなど糖質科学分野が主力の医薬品メーカー
 
 糖質科学分野が主力の医薬品メーカーで、国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け単回投与関節機能改善剤Gel-One、米国向け3回投与関節機能改善剤VISCO-3、米国向け5回投与関節機能改善剤SUPARTZ-FX、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、LAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。
 
 中期経営計画(17年3月期~19年3月期)の経営目標値は、19年3月期売上高320億円、営業利益25億円、経常利益45億円としている。
 
■新薬開発は糖質科学分野に焦点
 
 研究開発は糖質科学分野(糖鎖や複合糖質を研究する科学分野)に焦点を絞り、開発中の新薬には腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603(コンドリアーゼ)、変形性膝関節症改善剤SI-613(NSAID結合ヒアルロン酸)、ドライアイ治療剤SI-614(修飾ヒアルロン酸)がある。
 
 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603は、日本で14年1月に製造販売承認申請し、3月23日に国内製造販売承認取得を発表した。日本における独占的販売契約は12年12月に科研製薬 <4521> と締結している。
 
 また16年8月にスイスのフェリング社と、SI-6603の日本を除く全世界におけるライセンス契約を締結している。フェリング社から今後の開発や販売等の進捗に応じて複数年にわたり、最大で90百万米ドルのマイルストーン型ロイヤルティを受領する。
 
 なお米国で実施したSI-6603第3相臨床試験について、17年11月に主要評価項目である投与後13週での下肢痛軽減において統計学的に有意な改善効果が認められなかったと発表したが、18年2月には米国における第3相臨床試験(追加試験)の開始を発表している。本追加試験における症例登録開始は19年3月期第1四半期を予定している。
 
 変形性膝関節症治療剤SI-613は米国を含めたグローバル展開を目指す製品と位置付けている。17年2月日本で第3相臨床試験を開始、17年6月米国で第2相臨床試験を開始した。また17年9月小野薬品工業 <4528> と日本における共同開発・販売提携に関する契約を締結した。小野薬品から契約締結一時金として20億円を受領するとともに、今後の開発や販売等の進捗に応じて複数年にわたり最大で総額100億円のマイルストーン型ロイヤルティを受領する。
 
 なお17年9月にSI-613の腱・靱帯付着部症を対象とした後期第2相臨床試験(SI-613-ETP)を開始した。
 
 ドライアイ治療剤SI-614は、米国・欧州で15年1月第2・3相試験が終了し、次相試験について検討中である。
 
■18年3月期大幅増益予想
 
 18年3月期連結業績予想は3月30日に修正した。国内医薬品が想定を下回り売上高を2億円、営業利益を1億円減額したが、受取ロイヤルティの発生で経常利益を15億円、純利益を11億円増額した。
 
 修正後は売上高が17年3月期比1.7%増の301億円、営業利益が9.2%増の14億円、経常利益が2.1倍の52億50百万円、純利益が2.1倍の38億円とした。配当予想は前期から記念配当5円を落として年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。予想配当性向は38.7%となる。
 
■株価は急伸後の調整一巡感
 
 株価は急伸した2月高値2236円から反落したが、1900円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。
 
 4月2日の終値1963円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS67円13銭で算出)は29~30倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.3%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連の結BPS1248円07銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約1115億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)