ドル円は再び106円を割り込み、一時105円66銭まで下落。米国株が大幅に下落し、長期金利も低下したことでリスクオフの流れから円が買われる。ユーロドルも小幅に下落。1.2282まで売られ、ユーロ円は大きく下落。1週間ぶりに130円を割り込む。株式市場は大幅下落。トランプ大統領がアマゾンを批判したことや、中国が米国製品に対する報復的な関税引き上げを発表したことが手掛かりに。ダウは一時750ドルを超える下げを
見せたが、引けは458ドル安。株価の大幅安を受け、債券は買われる。長期金利は2.73%台に低下。ドル安が進み金は大幅高。一方原油は大きく売られ63ドル台に。

3月ISM製造業景況指数→ 59.3

ドル/円105.66 ~ 106.45
ユーロ/ドル1.2282 ~ 1.2345
ユーロ/円  129.98 ~ 131.29
NYダウ   -458.92  → 23,644.19ドル
GOLD  +19.60 →1,346.90ドル 
WTI -19.60 → 63.01ドル  
米10年国債  -0.010 → 2.730%

本日の注目イベント

豪   RBA、キャッシュターゲット
独   独2月小売売上高
欧   ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)
英   英3月製造業PMI
米   3月自動車販売台数
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
米   ブレイナード・FRB理事講演

 NY株式市場が大幅な下落を見せたことで、ドル円は再び106円を割り込み、105円台半ばまでドル安が進みました。大幅下落を主導したのは先週と同じくハイテク株でした。トランプ大統領がアマゾンへの批判を再開したことや、中国が米国製品に対する報復的な上乗せ関税を発動したことで市場が動揺し、ダウは一時750ドルを超える下落を演じ、ハイテク銘柄の多いナスダック指数も大幅に売られました。

 中国は米国からのワインやナッツ類、それに豚肉などの関税引き上げを発表しましたが、その規模は小さく、米国にとってはたいした痛手ではありません。米国が鉄鋼やアルミへの関税を引き上げたことに対する報復的な意味合いでしかなく、本音は6月ごろ発表される1300品目にものぼる中国からの輸入品に対する関税引き上げの内容を見極めたいというところです。ただそれでも中国に対するトランプ政権の強行姿勢がさらに強まるようだと、「伝家の宝刀」である「米国債の売却」というカードをちらつかせる可能性はあります。

 米中両国は水面下で交渉を行っているようですが、今の状況を見ていると、貿易戦争を回避できるかどうかのボールは、米国側にありそうです。朝鮮半島の緊張が和らいだことで107円台まで反発し、105円割れがやや遠のいたドル円でしたが、再びドルの底値を探る展開になってきました。米国の10年債利回りは一時ほどの先高感が薄れ、落ち着きを取り戻しています。昨日の債券市場では2.73%台まで低下し、今回の大混乱のきっかけとなった2月2日の水準を下回っています。落ち着かないのが株式市場です。引き続き上下した際の値幅は大きく、ボラティリティーも下がってきません。トランプ政権の打ち出す政策に対する懸念が株価の重石になっていると考えられます。

 この欄でも以前に触れましたが、ドル円は「日足」チャートでは、1月8日の113円39銭を頂点とするレジスタンスラインを上抜けしています。抵抗線はドルの戻りを抑制することになりますが、一旦上抜けを完成させると、サポートラインとなり、今度はドルの下落を抑える傾向があります。その意味では本日の下値のメドは105円40銭前後にあると見られますが、その水準で下げ止まるかどうかは分かりませんが、一旦は意識されるレベルかと思います。ということで、本日のレンジは105円30銭~106円30銭程度と予想します。もちろん、日本株がどこまでNY株下落の影響を受けるのかにもよります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)