今年これまで死守していた1ドル=105円台を先週割込み、ついに、2016年秋以来の104円台まで円高が進行しました。米ドル円が105円台以下の円高水準に戻るのは、2016年11月、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利して、いわゆる「トランプ相場」が始まり、ドルが上昇開始して以来のこと。つまり、米ドルは、完全に「トランプ相場前の水準に戻った」形となりました。ニュースでは「貿易戦争勃発」などと言われ、たしかにその影響もあるのですが、それでは具体的な予測はできませんから、チャート分析をしっかり確認しておきましょう。
 
 先週もブログで書きましたように、105円を割れた場合の下値メドとして、第一に104円台半ばに節目があります。先週金曜日はまさにその第一の節目(104円台半ば)で円高の流れが食い止められました。その次には、これも先週から書いておりますように、103円台にやや大きめの節目があります。したがいまして、為替は105円の大きな目安を割り込んだとはいえ、今週は円高になったとしても、104円台半ば、そして103円台では、いわゆる下げ渋るような展開になりやすいのではないかと思われます。今年はすでにかなり円高が進んでいますし(1月高値113円→3月104円)、同一方向のトレンドがもうかれこれ3カ月も続いていますから、ここからさらに円高になり続けるような局面でもないように思われます。
 
 次にユーロ円。ユーロ円についてはだいぶ前から次のような予想をハッキリ掲げてきました。「短期的には最大130円近辺」「中長期的には128円~127円へ下落が拡大する可能性も」。そして先週号では、「すでに130円台では止まらない可能性を示唆する下落シグナルも出ている」と明言。先週はその通り、完全に130円を割り込んできました。こうなりますと、今週以降も引き続き中期的な下落メド(128~127円)へ向かう展開を想定しておきたいところです。
 
 豪ドル円について。米ドルが105円なら、豪ドルは81円の下値サポート帯が比較的強力だったのですが、豪ドル円もそのサポート帯を割り込んでしまいました。次なる下値メドとしましては、80円台前半の水準(特に80.2~80.3円)に複数のメドが重複しており、そのあたりの水準で下支えされることが期待されます。この先、悪い材料が重なるなどして一時的に急落した場合には、80円を割れて、最大で77円前後(78円~76円台後半あたり)という大きなメドが出ないこともありませんが、確率の高いシナリオとしては、目先80円台前半での下支えを期待したいです。
 
 今回の世界株安・円高の混乱の衝撃を大きく受けたのがトルコ。昨年9月以降の長期的な下落波動、それから今年1月以降の中期的な下落波動、それらの波動を計測しますと、いずれも、26円が最大メドとして浮かび上がります。これ以上の下げは、さすがにもう行き過ぎの領域に入ってきますので、仮に、26円を割れたとしても、いずれ戻ってくる可能性が高いです。
 
 各通貨が総じて下落傾向を強めているなか、比較的堅調なのがメキシコペソ円。先週末は1ペソ=5.65円。年始は5.72円でしたから、今年これだけ、あらゆる通貨が苦しんでいるなかでメキシコペソは、ほんの1%ほどしか下がっていません(米ドル円でいえば、この3カ月で1円ちょっと下がったくらいな感覚)。この先どうなるかわからないとしても、これまでのところ、メキシコペソを含めた分散投資が結果的には、成績がましになるような効果を発揮しています。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)