ドル円は米国が中国への大規模な関税賦課を決めたことで、米中間の貿易戦争拡大懸念から104円66銭まで下落。ダウ指数が連日の大幅安になったことも円を買う動きに。ドル安が進み、ユーロドルでもユーロ買いが優勢に。1.2373まで買われたが勢いは出ず。

 株式市場は連日の大幅安に。米中貿易問題が世界経済へ悪影響を及ぼす懸念も意識される。ダウは424ドル下げ、2日間で1100ドルを超える。株価が大幅に下げたことで、債券には買いが集まる。長期金利は2.81%台まで低下。ドル安が進んだことで金は大幅高に。原油も買われ65ドル台に。

2月耐久財受注    → +3.1%
2月新築住宅販売件数 → 61.8万件

ドル/円   104.66 ~ 105.29
ユーロ/ドル 1.2323 ~ 1.2373
ユーロ/円  129.35 ~ 129.97
NYダウ   -424.69 → 23,533.20ドル
GOLD   +22.50  → 1,349.90ドル
WTI    +1.44   → 65.74ドル
米10年国債 -0.010  → 2.814%

本日の注目イベント

仏  仏10-12月期GDP(確報値)
米  ダドリー・NY連銀総裁講演
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演

 トランプ政権は中国が知的財産権を侵害しているとして最大で1300品目、600億ドル(約6兆3000億円)分に25%の関税をかける措置を決めました。米通商法301条に基づく対中制裁に踏み切ったことになります。GDP世界1位と2位の両国が保護貿易問題でエスカレートする事態は、世界にとっても重大な懸念材料となり、日本にとっても景気にも影響を与えるほど、大きな問題になる可能性を秘めています。

 米中貿易問題の懸念が米株式市場にも影響を与えています。ダウは前日724ドル下げたにも関わらず、この日も424ドル下げました。1月26日には2万6616ドルまで上昇した株価は、2万3500ドル台まで下げています。米国の制裁に対して中国側も対抗措置を検討しているとの報道が株価への重石になっています。

 中国への制裁に対して崔・駐米大使は「あらゆる選択肢を検討している」と強くけん制しています。この中には米国債の購入額を減らすことや、保有する米国債の売却も入っていると見られます。報道によると、中国は1月末時点で1兆1700億ドル(約120兆円)の米国債を保有しており、世界最大の米国債保有国です。米国が中国製品に対して大規模な関税をかけるのであれば、保有する米国債売却をちらつかせて、交渉の「武器」にしようとういうことのようです。

 もしこれが実際に行われるようなら、金利上昇圧力の強まっている米長期金利がさらに急騰することになります。もともと、昨年末の税制改革で法人税減税を決め、その原資を国債の増発で賄うという見方があり、さらには10年で1兆5000億ドルにのぼるインフラ投資の財源につても同様に見られています。そこに、中国政府による購入控えや売却が加われば、米国債が大きく売られるのは避けられません。

 ただ、実際問題としてそう簡単に中国が米国債を売るとも思えません。保有額が大きいことと、中国が売却するという報道だけで、市場が動いてしまい、結局は自分で自分の首を絞めることになります。「Too big to sell 」といったところです。また、中国にとっても、米国債以外に大量の資金の投資先を見つけることは簡単ではないし、まず見つからないという状況です。ムニューシン財務長官は中国製品への関税を賦課する必要性を未然に防ぐために、米国が中国と合意をまとめられるとの楽観的な見方を示していますが、トランプ大統領の強気の姿勢からすると、このまま行きそうな気配もあります。(ブルームバーグ)

 本日もドル円は下値を探る展開が予想されます。シカゴ日経平均先物は先週末の引け値からは450円ほど下げており、本日も日本株の大幅安は避けられない状況です。株価とドル円との関係がそれ程強くはなっていませんが、それでもリスク回避の円買いが強まりそうです。

 本日のドル円は104円~105円30銭程度の動きを予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)