大和総研は、2018年の中国の実質GDP成長率予想を6.3%から、6.5%に引き上げた。経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は3月22日、「中国:下振れリスクが後退、強い不動産投資」というレポート(全8ページ)を発表し、今年になって発表された中国の経済指標を分析した。レポートの要旨は、以下の通り。
 
◆従来、住宅価格(前年比)の推移は都市毎に程度の差はあっても、方向性は一致していたが、今回は価格の上昇・調整に時間差のあることが特徴となっている。この結果、全国平均では住宅価格の大きな調整が回避される可能性が高まっている。そうなれば、地方政府の財政収入にとって重要な土地使用権売却収入の減少⇒地方政府の財政支出の抑制や、住宅販売不振⇒関連投資・消費の抑制、という景気の減速要因を中国全体としてはあまり意識しなくて済むようになろう。景気下振れリスクの後退を受け、大和総研は2018年の実質GDP成長率予想を従来の前年比6.3%から同6.5%に引き上げる。
 
◆国家エネルギー局によると、2018年1月~2月の電力消費量は、鉱工業生産の加速と厳冬を主因に、前年同期比13.3%増と急増した。内訳は第一次産業12.6%増、第二次産業11.5%増、第三次産業18.8%増、家庭用15.2%増であり、ウエイトは第二次産業が全体の66.3%と圧倒的に大きい。中国の発電量の77.4%が火力発電であり、発電量の増加は石炭燃焼に直結することになる。中国では、環境目標達成の辻褄合わせのために、鉱工業生産を抑制することが常態化しているが、それにとどまらず、抜本的なエネルギー構造改革をスピードアップさせる重要性が改めて示されているといえよう。(情報提供:大和総研)(写真は、広東省広州市の住宅地。写真提供:123RF)