ドル円はトランプ政権の政治的リスクの高まりを材料に105円62銭まで売られたが反発。ミシガン大学消費者マインドなど、経済指標が好調だったことや、株価の上昇が支えとなり、106円23銭までドル高が進み、106円前後で越週。ユーロドルはこのところのレンンジを抜けきれず、この日も1.23を挟んでのもみ合い。1.2329まで買われたが、1.2285前後で取引を終える。

 株式市場は、鉱工業生産や消費者マインドが市場予想を上回ったことを好感し続伸。ダウは72ドル上昇したものの、2万5000ドル台には届かず。債券は良好な経済指標を手掛かりに小幅に下落。長期金利は2.84%台に上昇。金は続落し1312ドル台に。原油は大幅に続伸し62ドル台を回復。


2月住宅着工件数            → 123.6万件
2月建設許可件数            → 129.8万件
2月鉱工業生産             → +1.1%
2月設備稼働率             → 78.1%
3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)→ 102.0

ドル/円   105.62 ~ 106.23
ユーロ/ドル 1.2260 ~ 1.2329
ユーロ/円  130.07 ~ 130.45
NYダウ   +72.85 → 24,946.51ドル
GOLD   -5.50  → 1,312.30ドル
WTI    +1.06  → 62.25ドル
米10年国債 +0.016 → 2.844%

本日の注目イベント

日  2月貿易収支
欧  ユーロ圏1月貿易収支
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
南米 G20(ブエノスアイレス、20日まで)

 ドル円は先週後半にも105円台半ばを試しましたが、106円台に戻されています。上値が重く、市場ではドルの下値を探る展開が続いていますが、節目の105円にはなかなか届かない動きが続いています。そのため、『上値が固いのか、下値が固いのか』判断しにくい状況です。米長期金利は高水準を維持してはいるものの、極めて安定した動きに戻っています。そのため株価の方も、1日の値幅は引き続き大きいものの、一時ほどの乱高下は見せていません。注目の「VIX指数」も直近では「15.8」程度まで低下しており、危険といわれる「20」を大きく下回っています。

 本来なもう少しドルが買われてもおかしくはない環境ですが、ドルの上昇を妨げているのが、トランプ大統領の言動そのものです。保護貿易を大統領権限で協力に推し進め、鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを強行しました。今週にも中国に対する輸入制限を発表する可能性がもあり、日本に対する貿易赤字にも不快感を示していることから、日本も例外ではないかもしれません。中国側は今のところ平静を保っていますが、「全人代」で再選が決まり、こちらも権限を強化している習近平政権が、どのような対抗措置を出してくるのか注目されます。

 さらにドルの上値を抑えているのがトランプ政権の相次ぐ閣僚の解任です。政治的リスクが高まったと言えますが、コーン国家経済会議(NEC)委員長に次いで、先週は電撃敵にティラーソン国務長官を解任しました。また、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)も解任する方針だと、ワシントンポストは報じています。さらに先週末には大統領とケリー主席補佐官との不仲も報じられています。ホワイトハウス内での会話はわれわれが知る由もありませんが、大統領の政策に反対した人物を容赦なく切り捨てているようにも思います。11月の中間選挙を意識した行動かもしれませんが、米国民にとっては逆効果のように思えます。

 発表された3月のミシガン大学消費者マインドは「102」と、2014年初頭以来の高水準でした。2008年のリーマンショク後には「50前後」まで低下した同指数でしたが、インフレ期待値も上向いています。2月の雇用統計では労働市場の一段の拡大も確認されており、今週水曜日のFOMCでは利上げがほぼ確実と見られます。市場の注目は今や、今年の利上げが「3回なのか、4回になるのか」という所まで来ていると見られます。

 本日は明日からのFOMCを控え大きな動きはないと予想しています。ただドルの上値は徐々に切り下がっていることには注意が必要です。

 予想レンジは105円50銭~106円50銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)