ドル円は続落。106円割れは免れたものの、106円07銭前後までドルが売られる。小売売上高が予想に反してマイナスだったことや米長期金利の低下がドルの重石に。ユーロドルは1.23台で推移。対円でもユーロの上値が重くなったこともあり、1.23台半ばまで下落。株式市場は続落。トランプ政権の保護主義への懸念や、経済指標の悪化を嫌気してダウは248ドル下落。他の主要指数も揃って下落。債券相場は続伸。株価の下落を材料に、買い物を集めた。長期金利は2.81%台まで低下し、約5週間ぶりの低水準を記録。金は反落し、原油は小幅に反発。

2月小売売上高     →  -0.1%

2月生産者物価指数   →  +0.2%

 
ドル/円106.07  ~ 106.59

ユーロ/ドル1.2347 ~ 1.2396

ユーロ/円  131.02 ~ 131.87

NYダウ  -248.91 → 24,758.12ドル

GOLD  -1.50 →1,325.60ドル 

WTI  +0.25 → 60.96ドル  

米10年国債 -0.026 → 2.817%

 
本日の注目イベント

欧  IEA月報
米  新規失業保険申請件数
米  3月NY連銀製造業景況指数
米  3月フィラデルフィア連銀景況指数
米  3月NAHB住宅市場指数


 ドル円は続落し、106円割れも見えてきた水準までドル安が進んで来ました。今週始めには107円台半ばまでドルが反発し、「105円割れのリスクがやや遠のいた」矢先に、ティラーソン国務長官の解任が発表され、ドル円が1円ほど円高方向に動き、その後はジリジリとドルが下落する展開になっています。日米ともに政治的リスクが高まり、ドル浮上のきっかけが掴めない状況です。

 昨日のNY債券市場では、株価が下落し、2月の小売売上高も市場予想に反して前月から減少しました。市場予想を下回ったのはこれで3カ月連続となります。さらにアトランタ連銀が予測する「GDPナウ」のモデルが示す1-3月期の経済成長率が1.9%(前回は2.5%)に低下したことで、米経済減速懸念から債券が買われています。この結果、長期金利は2.81%台まで低下し、これは2月7日以来の低水準ということになります。これまでならば、長期金利の低下を好感し株価が上昇していましたが、昨日はトランプ政権高官の入れ替えで、今後さらに保護貿易が強まるのではとの懸念が株価をも押し下げています。

 トランプ大統領は中国に対しても知的財産権侵害への制裁措置として最大600億ドル(約6兆4000億円)の関税を課す可能性があると、米メディアは報じています。ロイター通信は、電気製品や通信機器など、知的財産侵害の疑いがある品目は100を超えるとも報じています。これに対して中国側は今のところ正式なコメントをしてはいませんが、この関税が実際に実施されるようだと、「貿易戦争」という言葉も現実味をおびてきそうです。

 米保護貿易の進展も、「森友問題」の行方も、ここは事態を見守るしかありません。いずれもドルの上値を抑えることになるため、まだドルの反転は見込めない状況です。再び105円割れを意識しなければならない状況になるのか、あるいは105円台半ばから107円台半ばのレンジが維持されるのか、上記2つの動きに加え、来週のFOMCでの利上げと、その後の利上げ回数の見通しが焦点になります。本日のレンジは105円70銭~106円70銭程度を予想しますが、NY市場のドル安値である106円07銭辺りが抜けるかどうかが、目先のポイントと見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)