2月の雇用統計は引き続き好調だったが、賃金上昇率が予想よりも鈍化しており、株価が上昇したことでドルが買われ一時は107円05銭までドル高が進む。ユーロドルは1.23を挟んだもみ合い。ドル高が進み、1.2273まで売られたが、1.23台に戻して引ける。

 株式市場は経済が好調さを維持しながらも、賃金が抑制されていることを好感。ダウは440ドル上昇し、2万5000ドル台を回復。債券相場は反落、良好な雇用統計を受け売りが優勢に。長期金利は2.89%台へと上昇。金と原油はともに反発。


2月失業率        → 4.1%
2月非農業部門雇用者数  → 31.3万人
2月平均時給 (前月比) → +0.1%
2月平均時給 (前年比) → +2.6%
2月労働参加率      → 63.0%
 
ドル/円   106.68 ~ 107.05
ユーロ/ドル 1.2273 ~ 1.2334
ユーロ/円  130.93 ~ 131.89
NYダウ   +440.53 → 25,333.74ドル
GOLD   +2.30   → 1,324.00ドル
WTI    +2.00   → 62.12ドル
米10年国債 +0.037  → 2.894%

本日の注目イベント

米  2月財政収支

 ドル円は約1週間ぶりに107円台に乗せる場面がありました。2月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る31.3万人で、さらに1月分も速報値の20万人から、23.9万人に上方修正されました.失業率は先月と同じ4.1%でしたが、米労働市場は極めて良好な状況を維持していると言えます。

 前回、長期金利の上昇と株価の急落を招いた賃金上昇率が、今回は市場予想に届かなかったことで、株価の急騰につながっています。平均時給は前月比で「0.1%」、前年比で「2.6%」と、いずれも市場予想を下回ったことでインフレ懸念が後退し、株価はこれを好感した格好です。ダウは前日比440ドル上昇し、前日分と合わせると500ドルを超える上昇です。賃金上昇率が適度だったということで再び株価の上昇につながり、VIX指数も前日比10%以上も低下し、「14.6」前後に収まってきました。

 ただ、それでも為替の方の反応はいま一つです。本来ならもう少しドル高が進んでもおかしくはない状況ですが、ドル円は107円台に乗せるのが精一杯だった印象です。背景にあるのが、トランプ大統領の通商政策です。鉄鋼とアルミの関税引き上げに関する大統領令には署名を済ませており、その後、オーストラリアとの間では輸入制限の対象国からはずしてはいますが、日本が適用除外国になるかどうかは不明です。トランプ大統領は「日本との貿易不均衡は不公平だ」と述べており、今後の交渉の余地は残すものの、不透明です。

 上値の重いドル円でしたが、結局現時点でも105円割れは回避でき、107円台まで反発したことで、「4時間足」までの短期のチャートではドル上昇を示唆する形を見せています。本日は小幅な円安とNY株の大幅高から、日経平均株価も大幅な上昇が見込めます。ドル円は107円テストが見られると思いますが、107円台半ばから上値が目先のレジスタンスと思われます。

 予想レンジは106円50銭~107円50銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)