ドル円は小動き。トランプ大統領の強硬な通商政策がやや和らいだことで、106円32銭までドル高が進んだが、今夜の雇用統計を見極めたいとする雰囲気が優勢に。ECBがフォワードガイダンスを微調整したことでユーロドルは1.2446まで上昇。ただその後はドラギ総裁の発言を材料に1.23割れまで急落。株式市場は反発。トランプ大統領が輸入関税の発動に署名したものの、カナダとメキシコへの適用を除外し、その他の同盟国にも除外する可能性を残したことを好感。ダウは3日ぶりに上昇。債券は小幅に上昇し、長期金利は小幅ながら続落。
金と原油は続落。

新規失業保険申請件数  → 23.1万件

10-12月期家計純資産 → 2076b
 
ドル/円106.02  ~ 106.32

ユーロ/ドル1.2299 ~ 1.2446

ユーロ/円  130.52~ 131.98

NYダウ  +93.85 → 24,895.21ドル

GOLD  -5.90 →1,321.70ドル 

WTI  -1.03 → 60.12ドル  

米10年国債 -0.026 → 2.857%

 
本日の注目イベント

日  日銀金融政策決定会合
日  黒田日銀総裁記者会見
中  中国2月消費者物価指数
中  中国2月生産者物価指数
独  独1月貿易収支
独  独1月鉱工業生産
英  英1月鉱工業生産
英  英1月貿易収支
米  2月雇用統計
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
加  カナダ2月就業者数
加  カナダ2月失業率

 注目されたECB理事会では、予想通りフォワードガイダンスが微調整され、発表直後はユーロが買われ、ユーロドルは1.2446前後まで上昇。ところが、その後のドラギ総裁の会見後には反落し、1.23割れまでユーロ安が進み、この日までの上昇分を吐き出した形で取引を終えています。

 ECB政策委員会はフォワードガイダンスの中の「必要なら債券購入プログラムの規模を拡大する」との文言を削除しました。貿易戦争やポピュリズムの台頭など、不安材料があるものの、景気の先行きには自信があることの表れかと思われます。9月まで実施予定の、現行月300億ユーロ(約3兆9500億円)の資産購入は据え置かれ、期間延長の可能性は残されました。

 資産購入プログラムの終了は今回の声明には盛り込まれず、6月の理事会に持ち越された形になったことで、ユーロドルはその後売り物に押され、1.23台割れまで下落しました。ドラギ総裁は記者会見でトランプ大統領の通商政策ついて、「戦争とはまだ呼ばないものの、同盟国に輸入関税を課すなら、敵は誰なのかわからなくなる」と批判しています。景気回復が続き、物価上昇も鮮明になってきたユーロ圏では、できるだけ早い段階で金融正常化への軌道に乗せたいとの「悲願」はありますが、同時に拙速な政策変更は避けたいという意向もあり、明確な政策変更に関するガイダンスは6月に持ち越された格好です。

 ドル円は106円を挟んでのもみ合いが続いています。現時点では、午後の日銀総裁の記者会見と、今夜10時半発表の米2月の雇用統計が材料になります。日銀金融会合では政策変更はないと見られますが、注目は黒田総裁の会見での発言です。「引き続き2%物価上昇達成に最大限の努力をする」という、これまでの考えを述べると思われますが、今週の国会答弁の際にもありましたが、これまでの発言を繰り返しただけで、一気に円高が進む事態にもなりかねません。メディアのヘッドラインだけを瞬時に読み取り売買を繰り返す「アルゴリズム取引」が活発なのが背景ですが、注意が必要です。

 雇用統計での注目点は引き続き「平均時給」です。前回は、発表された1月の「平均時給」が予想を大きく上回ったことで、米長期金利の急騰から株価が急落し、あの2月の大混乱につながったことは記憶に新しいところです。今回も引き続き賃金上昇が続いているのかどうかという点がポイントになります。市場予想は「前月比0.2%」で「前年比2.8%」と、いずれも前月よりは上昇率が鈍化すると見込んでいます。この予想よりも伸び率が低下しているようだと米長期金利が低下し、株価の上昇が見られそうです。その際ドル円は「リスクオフの後退」から、円売りが優勢になると思われますが、ここはやや不透明なところです。本日のレンジは105円50銭~106円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)