ドル円はアジア市場の105円台から反発。雇用を示す指標がよかったことや、大きく下げた株価が下げ幅を縮小したことで106円23銭まで戻す。ユーロドルは堅調に推移。1.2425まで買われたが、1.24を挟む展開。株価は朝方大きく値を崩したものの、午後には下げ幅を縮小。ダウは結局82ドル安で取引を終え、S&P500は7ポイント上昇。債券は小幅に上昇。長期金利は2.87%台後半まで低下。
金、原油は反落。

2月ADP雇用者数  →  23.5万人

1月貿易収支     →  -566.0億ドル

1月消費者信用残高→  1390.6億ドル


ドル/円105.73  ~ 106.23

ユーロ/ドル1.2385 ~ 1.2425

ユーロ/円  131.18~ 131.74

NYダウ  -7.60 → 24,801.36ドル

GOLD  -7.60 →1,327.60ドル 

WTI  -1.45 → 61.15ドル  

米10年国債 -0.070 → 2.879%

 
本日の注目イベント

豪  豪1月貿易収支
日  2月景気ウオッチャー調査
日  10-12月GDP(改定値)
中  中国2月貿易収支
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
米  新規失業保険申請件数
米  10-12月期家計純資産
加  カナダ1月住宅着工件数
加  カナダ1月建設許可件数


 昨日の朝方、コーン米国家経済会議(NEC)委員長の突然の辞任で、105円台半ばまで急落したドル円は、その後も上値は重く、105円台半ばから後半で推移していましたが、NY市場ではコーン氏の辞任はそれほど問題視されなかったことから106円台前半までドルが買い戻され、結局昨日の朝の水準に戻っています。コーン氏は、トランプ大統領の示した鉄鋼とアルミの関税引き上げには反対しており、同氏が辞任したことでさらに他品目への関税引き上げへの可能性もあったことで、辞任報道では安全通貨の円が買われました。

 ドル円は結局105円台半ばを底値に反発しており、この動きは先週にも2回見られました。ドルの上値が重いのは事実ですが、一方で105円台半ば前後が底堅い展開が続いており、105円台でのドルショートがなかなか機能しない状況になっています。105円という水準が今後の相場展開にとって重要な節目であることはこの欄でも何回か述べていますが、105円を明確に割り込めば、政府日銀も何らかの行動を起こすことも予想されます。実弾による介入はないにしても「口先介入」程度は想定され、「警戒感」もあり、一旦は105円手前ではドルの買い戻しが出やすいと言えます。

 2016年11月の大統領選挙でトランプ氏が勝利して以来、市場の混乱は続いていると言っていいと思います。「トランプ大統領自身がリスクだ」とも記述しましたが、歴代大統領でこれほど市場を揺さぶった大統領は見当たりません。ブルームバーグは、トランプ大統領は自身の鉄鋼・アルミニウム関税賦課計画を始動させるため、8日にも大統領布告に署名したいと考えていると伝えています。署名が完了すれば、適用が免除される国がない場合、世界的に関税は鉄鋼が25%アルミが10%になります。これに対してEU、中国、カナダは直ちに反対を表明し、EUは同じように米国からの輸入品に対して関税を引き上げる姿勢を示しています。

 このまま進むと、「アメリカ・ファースト」が世界的な「貿易戦争」へと向かいかねない状況になりますが、一部にはこれも「政治ショー」だとする見方もあります。11月の中間選挙では、現時点での支持率からすれば共和党が負ける可能性は高く、選挙を意識したパフォーマンスであるとも言えます。ホワイトハウスからは側近が次々と辞め、ロシア疑惑に関する追求も迫っているトランプ氏です。まだまだ大きな余震は何度もありそうです。

 アトランタ連銀のボスティック総裁は講演で、「今年は2回、3回、4回の利上げを想定している」と発言しました。また同時に「貿易面でどのような展開があるかまだ分からないが、それが景気拡大の勢いをいくらか止めかねない不確実性を生んでいる」とも述べています。共通していることは、FOMCメンバーの多くが米景気の先行きには依然として楽観的であるという点です。ハト派の代表格でもあるブレイナ-ドFRB理事でさえも、今年に利上げ回数の上振れの可能性に言及しています。

 105円―106円台半ばのレンジで推移しているドル円ですが、ここはどちらか抜けた方に付いていくしかありません。そして、利益確定も早めに行う方がよさそうです。本日の予想レンジは105円50銭~106円50銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)