ドル円は北朝鮮問題が良い方向に進展する可能性が出てきたことで円売りが強まる。105円台後半から106円44銭までドル高が進み、主要通貨に対しても円が弱含む展開。ユーロドルは続伸。ユーロ円が大きく買われたこともあり、2週間ぶりに1.24台に乗せる。

 株式市場は続伸。朝鮮半島での南北首脳会談実現を好感し、ダウは小幅高。ナスダックは41ポイント上昇。債券相場は小動き。長期金利も2.88%台でほぼ変わらず。金は大幅に反発。原油は続伸。


ドル/円   105.90 ~ 106.44
ユーロ/ドル 1.2387 ~ 1.2420
ユーロ/円  130.60 ~ 132.01
NYダウ   +9.36  → 24,884.12ドル
GOLD   +15.30 → 1,335.20ドル
WTI    +0.03  → 62.60ドル
米10年国債 +0.002 → 2.883%


本日の注目イベント

豪  豪10-12月期GDP
日  1月景気先行指数
中  中国2月外貨準備高
欧  ユーロ圏10-12月期GDP(確定値)
米  2月ADP雇用者数
米  1月貿易収支
米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
米  1月消費者信用残高
米  ダドリー・NY連銀総裁講演
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
加  カナダ1月貿易収支
加  カナダ中銀政策金利発表

 昨日この欄で北朝鮮問題に触れ、米朝での武力衝突の可能性は低くなったと述べましたが、北朝鮮問題はさらに進展しそうな状況になってきました。韓国と北朝鮮のトップが4月末に直接会談を行うことになりました。冬季オリンピックを契機に北朝鮮の対応が急速に柔軟になり、南北首脳会談が実現することになったものです。

 韓国大統領府の発表によると、北朝鮮側は非核化問題の協議や米朝関係正常化のため、米国と対話する用意があるとも発表しています。ただその前提条件は、北朝鮮への軍事的脅威が解消され、体制の安全が保証されれば核を保有する理由がないということで、これまでの北朝鮮側が再三述べてきたこととは180度異なっています。ただこの点に関してはこれまでも、ティラーソン米国長官が同様の提案を北朝鮮側に示しており、金正恩体制は維持すると米国は述べていたこともあり、条件自体は障害にはなりにくいと思われます。北朝鮮の現体制を維持することを条件に、北朝鮮側が核開発を停止するのかどうかが焦点です。

 今回の報道を受け、トランプ大統領は北朝鮮との対話に対してオープンな姿勢を見せています。トランプ大統領は6日、記者団に対して、「彼らは前向きに行動しているようだ。楽観的になりたいと思う」と述べており、「北朝鮮との対話に対して、事体が前進している可能性がある。全ての当事者が真剣に取り組むのは久しぶりだ」とツイートし、さらに「固唾を(かたず)をのんで見守っている!偽りの希望かもしれないが、米国はいずれの方向にも強く進む用意がある」と表明しています。(ブルームバーグ)

 南北首脳会談実現が発表されたことで、安全通貨の円やスイスフランは軟調な動きになっています。海外市場では105円85銭前後まで売られていたドル円は、その後106円台半ばまで円売りが進み、対ユーロでも132円まで円安が進みました。南北首脳会談で緊張緩和に向けた何らかの合意がなされ、米朝関係が進展すれば市場のリスクが一つ後退することになり、為替や株式市場にとっては好材料になります。現時点ではまだ予断を許しませんが、厳しい経済制裁を受けている北朝鮮が名より実を取ったと考えられ、今後の進展を見守りたいと思います。

 ドル円は105円割れのリスクはやや後退したものの、106円台半ばが壁になりつつあります。トランプ大統領の保護主義の強化もまだ不透明で、ライアン下院議長の「説得」にも耳を貸さない状況です。昨日は小動きだった米株式市場も、債券市場の荒っぽい動きが一服したことで一時の大混乱は治まっていますが、まだ不安定です。引き続き105円台が維持されるかどうかが、今後の相場展開に大きな意味を持っていると思われます。

 ドル円は今朝7時30分ごろから急落しています。鉄鋼・アルミに輸入関税に反対していたコーン・国家経済会議委員長が辞任したとの報道がきっかけで、106円台前半から105円台半ばまでドル安が進みました。

 本日も荒っぽい動きが予想され、レンジは105円~106円20銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)