ドル円は105円台から反発。株高と金利高を好感し、さらに貿易戦争への懸念が後退したことで106円24銭前後までドルが買い戻される。ユーロドルも反発。イタリア選挙や独メルケル政権樹立へのメドがたち、政治的リスクが後退。1.23台半ばまでユーロ高が進む。株式市場は大幅に反発。ダウは400ドルを超える上昇を見せていたが、引けにかけては上げ幅を縮小し336ドル高で取引を終える。債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.88%台へとやや上昇。金は反落し、原油は1ドルを超える大幅続伸。

2月ISM非製造業景況指数  → 59.5


ドル/円105.60 ~ 106.24

ユーロ/ドル1.2293 ~ 1.2349

ユーロ/円  129.83~ 131.00

NYダウ  +336.70 → 24,874.76ドル

GOLD  -3.50 →1,319.90ドル 

WTI  +1.32 → 62.57ドル  

米10年国債 +0.016 → 2.881%


本日の注目イベント

豪   豪1月小売売上高
豪   豪10-12月期経常収支
豪   RBA、キャッシュターゲット
米   ダドリー・NY連銀総裁講演
米   ブレイナード・FRB理事講演
米   カプラン・ダラス連銀総裁講演


 昨日の東京タイムでも終始105円台半ばで推移してドル円は、105円割れは回避し106円台に乗せてきました。NY株が大きく反発したことでドル円にも買い戻しが入り、円は他の主要通貨に対しても売られ、クロス円全般が上昇しています。円高が一服というところですが、まだ流れは依然として円高方向だと見られます。

 トランプ大統領が貿易を巡り強硬な発言を繰り返してはいるものの、それが極端な保護貿易政策につながることはないとの観測を後押しする材料が増えた(ブルームバーグ)ようです。ライアン下院議長がトランプ大統領に、鉄鋼・アルミの輸入関税を引き上げの再考を促したことで、貿易戦争への懸念が薄らいでいます。また、トランプ大統領はその性格からして終始強気の姿勢を見せるが、それは一種の「政治ショー」であるといった見方もあるようです。

 日銀の新しい副総裁に就任予定の二人が国会で所信表明と質疑をしました。その中で、若田部早稲田大学教授は「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ」と述べ、「必要なら追加緩和を提案する」とも述べ、出口戦略についても「2%達成以前に出口戦略を発動することはありえない」と語っており、リフレ派の片鱗を見せていました。また雨宮氏も政策の影響を懸念する声に対して「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」と述べています。この日の所信表明は想定どおりの内容で、為替市場への影響はほとんどありませんでした。

 朝鮮半島の緊張がやや後退してきました。韓国の文在寅大統領が派遣した特使団は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と4時間強にわたって会談しました。今回の訪朝では当初、金委員長と会談があるのかどうかが焦点の一つでしたが、4時間以上も会談は行われ、この会談には金委員長の妹と夫人も同席したと報じられています。韓国特使団はここで北朝鮮の核開発の中止を申し入れたものと思われますが、金委員長が受け入れるはずもなく、どのような会話があったのか、いずれ明らかになるものと思われます。昨年後半には米朝で非難の応酬が繰り返され、一触続発の状況にまで緊張が高まっていましたが、軍事衝突の可能性はかなり後退してきたと思います。

 ドル円はまだ105円割れのリスクを抱えており、市場参加者の多くはドルの戻りを売る姿勢を崩してはいません。ただ、今回の混乱の震源地である債券市場はこのところ落ち着きを取り戻しているように見えます。米長期金利が4年1カ月ぶりに2.95%まで上昇し、3%も視野に入ったのは先月21日でした。そこからは徐々に低下し、足もとでは2.8%台の後半での推移です。米金利については依然として上昇圧力があるものの、なだらかな金利上昇であれば株式市場も受け入れてくることも考えられ、債券・株式が落ち着けば「リスクオフ」が後退することも予想されます。戻り売りのスタンス維持の中でも、そういった意識をもっておくことも必要です。本日のレンジは105円70銭~106円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)