ドル円は2016年11月以来となる105円台前半までドル安が進む。日銀総裁が出口戦略に言及したことや、米国の保護貿易が強まったことへの懸念が背景。引けにかけてはややドルは買い戻され105円75銭近辺で取引を終える。ユーロドルはイタリアの選挙などを控え小動き。1.23を挟んだもみ合いが続く。対円ではドル円が下落したこともあり、129円台半ばまで円高が進む。

 株式市場はまちまち。ダウは3日続落したものの、ナスダックとS&P500は反発。債券相場はほぼ変わらず。株式市場に比べ、こちらはやや落ち着いた動きを見せ、長期金利は2.86%台で越週。金は大幅に反発し、原油も上昇。

2月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 99.7

ドル/円    105.24 ~ 105.78
ユーロ/ドル  1.2294 ~ 1.2336
ユーロ/円   129.62 ~ 130.38
NYダウ   -70.92 → 24,538.06ドル
GOLD   +18.20 →1,323.40ドル
WTI    +0.46  → 61.45ドル
米10年国債 +0.002 → 2.864%

本日の注目イベント

豪  豪1月住宅建設許可件数
欧  ユーロ圏1月小売売上高
英  英2月サービス業PMI
米  2月ISM非製造業景況指数

 ドル円は下落が止まらず、2週間前に記録した105円55銭を抜け、NYでは105円24銭までドル安が進みました。かろうじて105円割れは回避できたものの、この水準は2016年11月のトランプ大統領誕生の時以来の円高水準になります。黒田日銀総裁が2019年ごろには「出口戦略を検討するだろう」と発言したことを材料視したことや、米国では保護貿易が一段と強まるとの懸念が広がったことが背景です。

 トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムを対象とする輸入制限を発動することを表明し、ロス商務長官は『全ての国が対象になる』と述べています。懸念されていた「アメリカファースト」が具体化してきたとの印象ですが、今朝の報道では、中国がその姿勢を批判し、座視しない考えを示しています。またEUもユンケル欧州委員長はハーレーダビッドソンなど、米国からの輸入品に対して25%の関税をかけるなどと、対抗措置に出る姿勢を示し、「貿易戦争」という言葉が久しぶりに現実味を帯びて来ました。トランプ大統領もこれに対して「貿易戦争、いいだろう。容易に勝てる」とツイートしています。(ブルームバーグ)

 欧州ではメルケル独首相の第四期政権の可能性が高まり、イタリア選挙ではベルルスコーニ元首相率いる中道右派が五つ星をリードしていると伝えられており、今朝はユーロがやや買い戻されている展開です。これでユーロドルが再び1.25を目指す動きになると、ドル安の側面がさらに強まり、ドル円の105円割れも視野に入ってきます。105円というレベルは非常に重要なレベルであることはこれまでにも述べて来ましたが、「心理的な節目」であるだけではなく、このレベルを抜けると101円程度まで、サポートらしいサポートが見当たりません。そのため、一気に円高が進む恐れもあり、100円台も意識される展開も
予想されるかもしれません。

 もっとも、そのような状況になれば、政府日銀も何らかの行動に出る可能性がありますが、その先には日銀による「追加緩和」も、場合によっては議論されるかもしれません。今週も、米長期金利の動きに株価の推移、さらにはトランプ政権の通商政策にも目配りが必要になります。

 本日の予想レンジは105円~106円程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)