ドル円はパウエルFRB議長の議会証言を受け上昇。議長が景気やインフレに対してややタカ派的だったことで
107円67銭近辺までドル高が進む。ドル高が進み、ユーロドルも2週間ぶりに1.2221前後まで売られる。

 株式市場は議会証言を受け反落。ダウは約300ドル下げ、他の主要指数も揃って下落。債券相場も議長のタカ派的発言を受け売られる。長期金利は2.9%前後まで上昇。金、原油はともに下落。

1月耐久財受注          → -0.3%
1月FHFA住宅価格指数     → +0.3%
12月ケース・シラ-住宅価格指数 → +6.3%
2月消費者信頼感指数       → 130.8
2月リッチモンド連銀製造業指数  → 28

 
ドル/円   106.95 ~ 107.67
ユーロ/ドル 1.2221 ~ 1.2318
ユーロ/円  131.29 ~ 131.86
NYダウ   -299.24 → 25,410.03ドル
GOLD   -14.20  → 1,318.60ドル
WTI    -0.90   → 63.01ドル
米10年国債 +0.037  → 2.899%

本日の注目イベント

日  1月鉱工業生産
中  中国 2月製造業PMI(速報値)
中  中国 2月非製造業PMI(速報値)
独  独2月雇用統計
欧  ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
米  10-12月GDP(改定値)
米  2月シカゴ購買部協会景気指数
米  1月中古住宅販売成約指数

 パウエルFRB議長が就任後初となる議会証言を行いました。ここで議長は米経済に対する自信と、インフレ率が上昇するとの見方からさらなる段階的な利上げが必要との認識を示しました。

 議長は「経済に関する私の個人的な見通しは、12月以降に強まった」と述べ、インフレ率についても、昨年のインフレ率の目標未達は「一過性の要因を反映した可能性が高く、繰り返されることはない」と言明しています。その上で、「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」と語りました。

 これらの発言を受け、市場はややタカ派的と判断し、債券が売られ、株価が下落し、ドル円は金利高に反応し、107円68銭前後までドル高が進行しました。個人的には2月の初旬から始まった債券と株式の混乱に配慮して、議会証言は今後の利上げスタンスについては慎重な言い回しになるのではないかと予想していましたが、利上げ回数は今後の景気次第との発言でした。やや強気だったとの印象は残ります。

 議長は、債券・株式市場の混乱については「成長の妨げにはならないだろう」との認識を示し、「そうした展開が経済活動や労働市場、インフレの見通しに重くのしかかるとはわれわれはみていない」とし、「実際のところ、経済見通しは依然力強い」と述べました。(ブルームバーグ)これらの認識はダドリーNY連銀総裁など、これまでも多くの高官の共通した認識であり、FOMCメンバーの多くが、長期金利の上昇に端を発した混乱は一時的なもので、米景気は今後も拡大していくと考えていることが示されたものと思われます。

 パウエル議長の証言を受けて、ドル円は107円台前半から107円67銭前後まで、ユーロドルでもドル高が進み、1.2221近辺までユーロ安が進みました。インフレ率だけではなく、賃金も今後は上昇に向かい、米景気は一段の拡大を見せるとするパウエル議長の認識が正当化されるなら、足元の金融市場の混乱はいずれ収まり、VIX指数も徐々に低下してくるものと思われます。

 金利上昇に株価が慣れて、米景気拡大の方に収れんされてくればドル円も再びドル高に振れる可能性はありますが、金利との連動性が薄れているドル円が果たしてどこまで値を戻すのかは依然不透明です。仮に市場が落ち着きを取り戻せば、今度はトランプ政権の保護主義政策や財政赤字などに市場の関心が移り、ドルの上値を重くすることも考えられます。市場のセンチメントが変わるにはまだ時間がかかるかと思われます。

 本日の予想レンジは106円70銭~107円70銭程度とみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)